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夢幻の万別ハウス

「ほら、ほら、そろそろ家を出ないと遅刻するぞ!」


楓と蓮は湊の勢いにやられて玄関まで向かわされて

仕方なく家を出ることにした。


「お兄ちゃん、行ってきます」


「にぃに、行ってきます」


湊は爽やかな笑顔で楓と蓮を見送った。


「いってらっしゃい」


湊はリビングに戻り楓に安静にすると言った手前働くことは出来ないしまだ肉体改造済んでいなかったので

その間の生活費などをどうするか考えていた。


(うーん、しょうがない貯蓄から切り崩すことにするか)


湊はムゲンを呼び出していた。


「ムゲン、それで肉体改造っても何をしたらいいんだ?」


「腕立て伏せ百回、腹筋百回、スクワット百回、10kmランニングをしてもらおうと思ったがこれをやったらミナトはすぐに根を上げてしまいそうだからトレーニング内容は軽めにしといてやる。普通は出来るがな

普通は」


湊は心の内で怒りを抑えていた。


(こいつ舐め腐りやがって!ゼッテー毎日やりきってやる)


「そこまで言うならやってやる」


湊はこのトレーニング内容を屋外でしようと玄関に向かった時にムゲンが忠告していた。


「ミナト、くれぐれも毎日やろうとかは考えるなよ!

逆効果になってしまうからな。それからタンパク質

摂って適度な休養を取り十分な睡眠を心がけることが大切だからな」


(こいつ言うことだけは正確なんだよな)


「あぁもちろんそのつもりだ!」


湊はこの日初めて行ったトレーニングは案の定へばってしまっていた。


ムゲンは鼻で笑いながらトレーニング内容を変えるように促していた。


「無理は良くないぞミナト!出来なくても恥ずかしくないぞ。大人しく軽めのトレーニングにしとけ。

そうか、そうか、ミナトには無理だったか笑」


(今に見てろよ!)


湊はムゲンの発言に苛立ちその怒りがこのトレーニングを続ける原動力になっていた。


湊はめげずにやり続けて数ヶ月経ったころには、あの弱々しかった体が逞しい肉体に変わっていた。


これにはムゲンも驚きを隠せなかった。


「まさか本当にやり切るとは天晴れだ」


「なんかお前が素直に褒めるとなんか気持ち悪いな」


(絶対に次は褒めてやらん)


湊はチケットの「迷宮〔ダンジョン〕」に潜る為に協会に向かっていた。


「収納倉庫〔インベントリ〕」に入っているゴブリンから出た魔石と魔晶石を売り戦闘に備えて「回復薬〔ポーション〕」などを購入する為だった。


いつもは混んでいるのだが今日はあまり人がいなかったのでスムーズに受付することが出来ていた。


「ご用件は何でしょうか?」


「魔石と魔晶石の買い取りをお願いしたくて...」


「かしこまりました。査定が終わるまでしばらくお待ち下さい」


買い取りが終わりその受け取った金額を見て湊はほっとしていた。


(半分は生活費に回して貯蓄の分を考えても「HP薬〔回復ポーション〕」はいつもより多く買えることが出来る良かった!)


湊が次に目指していたのは『夢幻の万別ハウス』というところだった。


湊も初めて行くのだがそこは都内で唯一『酒場』、『武器屋』、『錬金術屋』などが複合に併設しているところであり侵してはならない掟がある場所だった。


『酒場』を詳しく言うと珍しいのだが昼は昼食を提供していて夜は会員制のバーに変わるのだがそうしたのは「夢幻「この店〕」の大将らしい。


ここを利用する者達はへんてこな名前だと思いながらも足を運ぶ者達が後を絶えなかった。


ここに並ぶ商品や料理は基本的に値が張ってしまうのだが安い物でも上質が良くまた料理も格別なので湊も訪れようとしていた。


これ以外にも評判がいいのは理由があり、『ハンター』の中には気性が荒い奴らもいるのだが、その者達でさえもここにいる時は大人しくなるので陰で『聖域』と呼ばれているからであった。


『夢幻の万別ハウス』に着くと湊は目的だった『錬金術屋』に向かった。


「いらっしゃい。今日は何を...」


「HP薬〔回復ポーション〕」小と中を一つずつ「MP薬〔魔力ポーション〕」小と中を一つずつ下さい」


「毎度〜」


「薬〔ポーション〕」には、種類とランクが存在して

種類は傷や疲労を癒す「HP薬〔回復ポーション〕」と「能力〔スキル〕」や肉体強化時に使用してなくなりそうになった時に回復させる「MP薬〔魔力ポーション〕」と麻痺や毒などを打ち消す「特殊薬「スペシャルポーション〕」がある。ランクは小、中、大、がありそれが上がるほど効能が増していきその分料金も高くなる。


いつもなら小しか買うことができなかったが『魔石』と『魔晶石』の査定額が良かったので多く購入できていた。


湊はその流れで腹ごしらえする為に『酒場』に行き食事を摂ろうとしていた。


湊が椅子に腰掛けご飯を口に運ぼうとしていたその

直後ぐらいに話し方からして先輩、後輩ハンターが

隣に座り『ギルド』や協会などについて話していた。


湊は聞くつもりはなかったが自然とその内容が耳に入ってしまっていた。


「まさかお前も「覚醒者〔プレイヤー〕」になるとは思わなかったよ。今日はその記念として俺が奢るからじゃんじゃん食べてくれ!」


「ゴチになります!」


「それから何か『ハンター』として気になることがあるなら聞いてくれ」


「じゃあ早速なんですけどぶっちゃけ協会と四大ギルドって比べたらどっちが強いんですか?」


「それは圧倒的人員と力を有している協会だろうな」


「そうなんですね。けど収入面とかで見たら協会に入るよりギルドに入ったほうがいいんじゃ...」


「協会に所属しているハンターや職員達は会長含め

副会長に生命を救われた奴らが多いんだとよ。その恩返しとかで入ってるんじゃないか。仮に人員が少なかっとしてもあの四人は化け物じみてるからな」


「あの四人って...」


「まず会長の十文字は年老いてなお現役と遜色ない

強さを誇っていると言われているしその補佐も同様なんだが一番別格なのは副会長の奴だろうな」


「そんなにすごい人なんですか?」


「ランクにもよるが「迷宮〔ダンジョン〕に連続で潜れるのは大体二、三日が一般的なんだが副会長は最長で一週間潜ったり、『黯骸ゲート』を単独で攻略したとか聞くからな。それに四大ギルドって言ってもその中の一つ我路ギルドは協会直属のギルドだしな。まぁ正確に言うなら副会長のみたいらしいが」


『我路ギルド』と聞いて後輩は何か思いだしたかのように先輩に聞いた。


「我路ギルドって他のギルドより人員が少数って聞きますけど実際どのくらいか分かります?」


「たしか...五人って聞いたような」


「五人ですか!?でもギルドを設立するにはS級が一人と人員が最低でも百人いないと許可が降りないんじゃ...」


「五人って言っても次元が違うからな。そこにいるメンツはSS級一人、S級一人、SA級三人と全員が高ランクだから所属しているから他のギルドに比べて人員が少なくてもそれと同等の力を持っていることには変わりないんだ。もしかしたら協会直属というのも関係があるのかもしれないが」


「あと副会長と我路ギルドのギルドマスター以外は

テレビや雑誌で目にしたことがあるんですけどこの

二人だけ見たことがないんですけど、どんな人物なのか知ってたりします?」


「その質問にはおそらくだが答えられる奴はいなんじゃないか」


「どいうことですか?」


「その二人は気がついた時にいると思ったらいつの間にかいなくなってる。それにマントで顔が隠れているから素顔を見れることはないだろうしな。まぁ我路ギルドのメンバーだったら知ってるとは思うが会うことはまず無理だろうな」


「どうせマント脱いだら素顔はめっちゃイケメンとか相場は決まってますよ!」

















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