表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/74

第三十五話 チートスキル【魔纏鎧装】。効果は『強い!』

 スキル名【魔纏鎧装まてんがいそう

 もし俺が異世界に行ったら、このスキルが使えるようになるみたいだ。


「効果は、魔力を鎧のように纏うこと。魔力による強化と防御が同時に発動する」


「ふ、普通に強いな」


 シンプルだが、だからこそ単純に強そうだった。

 もちろん、強化と防御の度合いにもよるけど。


「ミツキはわたしの100倍の魔力を持っているから、最強だね」


「え? ヘイムの100倍っておかしくない?」


 設定が壊れているだろ。

 たしか、出会ったときにセーラが『ヘイムの保有魔力は普通の魔法使いの100倍』と言っていた。

 単純計算、俺は普通の魔法使いの1万倍なのだが。数値で見ると設定として破綻してるだろ。


「すごいわ……さすが英雄さまっ」


「ほぼすべての魔法や物理攻撃は通用しないね。同時に、ほぼすべての攻撃が一撃必殺となる」


「……ぼくのかんがえたさいきょうまほう、だな」


 分かりやすいチートスキルの代表例みたいだった。

 シンプルすぎて今時の異世界系だと埋もれそうだなぁ。今、人気を出すならもっとひねった設定の方がいい気がする。まぁ、分かりやすくて俺は好きだけど。肉弾戦特化に近いのかな? 泥臭くてたまらない。


「ただ、自分の肉体にしか付与できないから、武器は使用できない」


「あ、でも伝説の武器とかだと大丈夫だったりしないか? 俺、剣で戦ってみたいんだけど」


「無理。君の魔力に耐えられる武具なんて存在しない」


「……そっかぁ」


「ミツキお兄さま、落ち込まないでっ。拳で戦っても十分に強いわ!」


 ありがとう、フィオ。励ましてくれてすごくほっこりした。

 俺は剣と魔法でいうと剣が好きだったので、ちょっと残念ではある。まぁ、このスキルだと魔法って感じでもないか。ほぼほぼ物理である。


 ともあれ、強いのならそれでいいか。


(って、教室で恥ずかしい話をしてる気がする。いや、でも……認識阻害の魔法で大丈夫なのか)


 あと十五分ほどで始業する。

 そろそろ教室にも生徒が集まってきているが、誰もこちらを気にしている様子がない。

 おかげで気兼ねなく異世界のスキルについて話すことができた。


「拳ってことは、ボクシングに近いか。一応、子供のころに麗奈と一緒にならってたけど、俺は全然才能なかったから大丈夫かなぁ」


「光喜くんは優しいから向いてないんだよね」


「……麗奈も興味があるなら聞けばいいのに」


「別に興味はありませーん。話が聞こえてくるだけです~」


 返答があったということは、彼女は自習しながらもこちらに耳を傾けているのだろう。

 だが、反応は素っ気なかった。やっぱり異世界関連については、あまり肯定的じゃないのだろう。


「ここまで強いと技術は関係ない。普通に殴ってても勝てる」


「まぁ、そうなるか」


 話を聞いた感じ、まさしくチートだ。

 これで負ける方がおかしいだろう。そう思わせる力だと思う。


「どう? ワクワクしてる?」


「うん。かなり」


「それでは、ミツキお兄さま……一緒に、冒険しに行きませんか?」


 ……なるほど。

 朝からどうしてこんな話を始めたのか気になっていたが、それが目的だったか。


(そういえば、昨日『異世界に勧誘する』って言ってたな)


 その勝負を麗奈に申し込んでいたことを思い出した。

 その一環として、彼女たちはチートスキルについて教えてくれたらしい。


 そしてそれは、明確に効果的だ。

 だって、俺の男心がとてもくすぐられていたのだから――。






最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

「面白かった!」と思っていただけたら、ぜひ感想コメントを残してもらえると嬉しいです!

『ブックマーク』や下の評価(☆☆☆☆☆)で応援していただけると、次の更新のモチベーションになります。

これからもよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ