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第十八話 ラブコメヒロインと異世界の愉快な仲間たち

 さて、三人との接し方もある程度わかったところで。

 少し時間がかかっていた麗奈の魔法解除が、ようやく終わった。


「ふぅ。これで大丈夫……起きて」


 ――ペチン。


 ヘイムが一度、手を叩く。

 それを合図に、ずっと無反応だった麗奈が顔を上げて……それから、ヘイムを見た。


(さて、どうなる?)


 今までは魔法で無反応だったが。

 しかし、解除されて改めて三人のことを認識した時、麗奈はどんな反応をするのだろう?


(敵視しないでくれるといいんだが)


 麗奈は俺が異世界に行くことに大否定している。ただの否定ではない。大がつく否定だ。

 だから、異世界から来た三人と無条件で険悪になる可能性もあるだろう。


 とりあえず、三人を見てどんなリアクションをするのか……様子を見てみることに。


「……え? あ、あれ? 耳が長くて……き、綺麗な人がいる!?」


 麗奈はまず、ヘイムの容姿に驚いていた。


 たぶん、彼女はエルフ。異世界ファンタジーだと美人ということがテンプレの種族。

 ヘイムもまた例外ではない。とんでもない美女なので、麗奈は驚愕していた。


「光喜くん! こっちにとんでもない美人がいるから、写真を……って、おお」


 俺の方を振りむいた麗奈は、そこでフィオとセーラのことも視認したらしい。

 彼女は目を丸くして更なる驚きを見せていた。


「すっごく可愛い子と、すっごくスケベそうな人もいる……な、何が起きてるの?」


「かわいいだなんて、そんな。照れるわ♪」


「スケベとはなんだ!? 私は男性と交際したことないのに……キスだってまだだ!」


 まずい。セーラさんが聞いてもないのに変なカミングアウトをしたので聞かなかったふりをしておこう。


 とりあえず、見た目では三人が好印象だったらしい。でも、正体を知ったらどうなるか分からない。

 どうか、険悪になりませんように。そう願って、三人についても説明した。


「異世界からって……あー! 朝に言ってた人たちなんだっ」


 もしかしたら、敵視するかなと不安だったのだが。


 麗奈はやっぱり純粋な女の子だった。

 愛情深くはあるが、意外とヤンデレ気質はないんだよなぁ。

 他の女子に対しても嫉妬はしないタイプである。異世界から来た女子たちにも、そこまで敵意を抱いているようには見えない。


 むしろ、麗奈は三人を興味津々で眺めていた。


「は、初めまして……霊道麗奈です。光喜くんの幼馴染です」


 それから、ぺこりと頭を下げる麗奈。

 俺と二人でいる時よりぎこちないのは、彼女は少し人見知りだからだ。意外と見知らぬ人は苦手らしい。


「初めまして。わたくしのことはフィオと呼んでね、麗奈お姉さま」


「お姉さま……!」


 そして、俺と同じように麗奈はフィオの可愛さにやられていた。


「どうしよう、光喜くん。かわいい妹ができちゃった!」


「俺の妹でもあるぞ」


「ふ、二人の妹ってこと!? 大切に育てないとね」


「いや、子供じゃないんだから」


 フィオもクリア。敵視どころか、メロメロになっている。

 ただ、セーラについてはまだ分からない。三人の中では一番友好的じゃないのが彼女である。


 あまり初対面の人が得意じゃない麗奈にとって、セーラはややハードルが高いように思えるのだが。

 果たして、どうなるのか。


「……スケベそうだけど、あなた強いでしょ」


「ほう。分かるのか?」


「うん。体の軸がブレていないし、常に周囲を警戒してる……強者の匂いがするね。スケベそうだけど」


「ふふっ。そういう貴様も、な。強者特有の気を感じるぞ。あと、スケベではない」


 ……あれ?

 もしかしたら、三人の中で一番ウマが合っているのでは?


(そうか! お互い、武術に精通しているところがあるからか)


 麗奈はボクシング。セーラは騎士として武術に長けているのだろう。

 二人は握手を交わして、友好的な笑みを交わしていた。


(……意外と、仲は良くなるかも?)


 心配していたような険悪な感じはない。

 むしろ、これからもっと仲良くなりそうに見えた。


 ふぅ……麗奈が敵意を剝きだしにしていたらどうしようかと不安だったので、とりあえず穏便な初対面となって良かった――。




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