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第十三話 転校生は異世界人!?

 少し時間を巻き戻そう。

 なぜ、異世界の住人がこの世界にいて、しかも転校してきたのか。


 その経緯を、説明させてほしい――。





 思い返してみると、今日は朝からみんなざわついていた気がする。


「おい、見たか!? 職員室にめちゃくちゃ美人がいたぞっ」


「転校生かな……うちのクラスに来ないかなぁ」


「小さくて可愛い子と、胸がでかい子と、なんか催眠術に弱そうな美女がいたな!」


 教室に到着すると、クラスメイトの男子たちの変な会話が聞こえてきた。

 転校生? 夏休み直前のこの時期に? しかも、三人も?


 そして三人目の催眠術に弱そうな美女、っていうのが特に引っかかった。どんな美女なんだろう。


「麗奈。転校生がいるらしいぞ」


「うん。みんな、そんな話をしてるね」


 ただ、麗奈はまったく関心がなさそうだった。

 隣の席で一限目の数学に備えて既に教科書を出している。麗奈は優等生なので、学校ではいつもこんな感じだ。


 二人きりの時は活発で明るいが、意外と人見知りするタイプでもあるので、人が大勢いると大人しかったりする。


 そこまで他人に興味がない、というのもあるか。

 だから、転校生の話題もさほど盛り上がらなかった。


 話題を振っておいてなんだが、俺も転校生のことはそこまで興味があったわけじゃない。気になっていたのは、催眠術に弱そうな美女くらいだ。


 そんな些細な変化がありつつも、なんだかんだいつもと同じ日常になるのだろう。

 そう、予想していたのだが。


「みんな、着席しろ。突然だが、今日は転校生がいるから紹介させてくれ」


 一限目が始まる前のSHR。教室に入って来た担任教師が予想外の一言を言い放った。

 この時間は、いつもなら軽い連絡事項を伝える時間だが、今日は違うらしい。


(転校生、うちのクラスなのか?)


 三人のうちの誰かが来るのかな。

 できれば、催眠術に弱そうな子だと言いなぁと思っていたら……なんと、三人同時に入ってきたので、まずはそこに驚いた。


 だが、この驚きは序章にすぎない。

 続いて、彼女たちの顔に見覚えがあることに気付いて、俺は思わず声を上げてしまうくらい驚愕することになった。


「え!? な、ななななんで三人が!?」


 あまりの事態に、席を立ちあがってしまった。

 だって、教室に入ってきたのは――異世界で出会った三人だったからである。


「あ、ミツキお兄さま♡」


 一人目は、異世界で姫と呼ばれていた少女。

 亜麻色の髪の毛と深紅の瞳が印象的で……特筆するべきは、その小ささにあるだろう。

 というか、間違いなくこの子は子供だった。少なくとも高校生には見えない。制服もちょっとぶかぶかで、それがまた愛らしくもあった。


「やぁ、ミツキ。会いにきたよ」


 二人目は、異世界で大賢者と呼ばれていた魔法使いさん。

 緑色の長い髪の毛と長い耳が特徴的で、三人の中では一番高校生っぽい顔立ちをしている。制服もうまく着こなしていて、とてもよく似合っていた。

 いや、高校一年生にしてはやや色気があるので……高校三年生くらいのお姉さんに見える。


「ふんっ。私は姫についてきただけだ! 勘違いするなよ」


 そして三人目は、異世界で俺に剣を向けた女騎士さん。

 今日は甲冑を着ていないせいか、意外と胸が大きかったことを知って驚いた。体も筋肉質だが、女性特有の柔らかさも感じさせる丸みもある。

 スレンダーでは決してない。どちらかと言えばムチムチで……彼女に限って言うと、ちょっと制服は不自然さがあった。大人がコスプレ強いている感じがすごい。そして恐らく、催眠術に弱そうな美女はこの人だろう。顔立ちがもう催眠術に弱い。


 ……異世界の住人の三人がなぜここにいるのか。

 その理由は、やっぱり俺だろう。


(俺を、迎えに来た……のか?)


 異世界転生にも、異世界召喚にも応じないせいか。

 どうやら、異世界から直々にお迎えが来たみたいだ――

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