お姉さんが攻めてきたぞっ!
「やべっ」
いつの間にか寝落ちしてたらしい
スマホの充電が切れ、床に落ちている
幸い画面は割れてないようだ
また、今日も始まるのかと思いつつカレンダーを見る
土曜日だ
だが昨日のメールが頭の中に残っている
誰にもメルアド教えてないはず
なのに学校でのことを知っているのようなメール
「どういうことだ?」
ピンポーン
the一般的なチャイムが部屋に響く
別にアモゾンも頼んでないはず
学校の奴らには家はバレてないし
恐る恐るドアを開ける
「やあ」
ドアの前にはいかにも風俗業で働いていそうなお姉さん?がいた
「エッロ」
反射的に声に出てしまった
やばいなんかニヤニヤしてるよこの人
「さすが思春期」
「思春期で悪くて?てか誰?」
その人はずかずかと部屋に入ってくる
質問に答えろよ
そして、床の机の隣にすわった
失礼なやつだな
「ここは客にお茶も出ないのか?」
「いきなり入ってきてなんだよお茶なんかないわ」
ヤバい人なのはわかったが悪い人ではなさそうなのでとりあえず机の向かいに座る
「で、誰なんです?」
「私は中野友莉、君のことはよく知ってるよ〜」
「なんでだよ」
「なんでって隣の部屋だからだよ」
そういえばよく深夜にドアが開く音がしてたな
この話が確かならこの人は夜の人で間違いなさそうだ
てか、隣の部屋の人でも自分で言えるくらい俺のこと知ってるのか?
「君、いじめられてるでしょ」
「は?」
「見ればわかるよ、私のときに似てるもんその詰めの甘さ、殺す勢いでいけよw」
やばいことを笑いながら言うヤバい人だ
それにしてもエロい体してるな
「どこ見てんだ〜?思春期〜」
俺はその山脈から目をそらす
てか、なんでこいつはここに来たんだ?
「で、なんの用だよ」
「君を救ってあげよう!ってことでメールしたんだけど返事来ないから、黙ってるってことはいえすってことやね精神で来たよ、縦読み気づいた?」
あの変なメールの主はこいつだったか
縦読みなんて気づかんわ普通
余計な御世話だ
自分のことは自分でやる
人間として、社会人として当然のことだ
「と、言うわけで色々とお姉さんに話してみな」
この人には謎のオーラがある
別に覇気とかってわけじゃない
なんというか、母性のオーラ
気を抜いたらお母さんって呼んでしまいそうなレベルで
そんなオーラに負け、俺は話した
この人は爆笑した
糞みたいな性格してやがる
だが、笑い顔は不覚にも可愛いと思ってしまった
高校生の俺とそんなに歳の差はなさそうだ
いけるかもな
キモい想像はなしにして俺は奴を帰らせた
またね〜
とは言っていたものの奴は昼にいない、俺と真逆だ
夜に起こされそうで不安だ
そして俺は寂しい部屋を見つめた
一人って気楽だけど寂しいところもあるんだな