「第40話」残りわずかな高校生活
いよいよ高校生活の最後の1週間が始まった。
もはや、無意味な授業は、みな送別会のようだった。
授業が終わり仲間4人で話をしていると校長がやってきた。
校長「いや〜皆さん。難関有名大学に4人も。学校始まって以来の快挙ありがとう。来年のわが校の受験はきっと大人気になるでしょう。」
ゆな「とてもいい思い出が出来ました。ありがとうございます。」
校長「しかし、さみしくなるな。君たち、優秀だったけど、むちゃくちゃだったからな。とにかく思い出に残る生徒だったよ。有名になって活躍して下さい。では、これで。」
さき「むちゃくちゃって、私のことかな?」
彼「違うと思う。印象深いという誉め言葉だと思うよ。」
さき「そうそう。連絡来て、明日、予定より早く新商品もらえるらしいから明日配るね。正直な感想を情報発信して。価格は税別で14800円だから、価格に見合うか考えて、持ち上げなくて正直でいいから。渡す相手にも伝えてね。」
ゆな「任せて。じゃあ私はトレーニングしてくるね。」
ゆな以外の3人は帰宅する。
みゆ「また明日ね。」
彼「じゃあね。さきさん。気をつけてね。」
さき「また明日ね。」
さきは帰宅した。何か最近すごく疲れるな。。
体重計に乗ると「うわっ!また太った。最近食べ過ぎだよね。まあ、幸せだから仕方ないか。。」でも、気をつけないとな。夕食はヘルシーにしようか。。
電話が鳴る。ひさおからだ。
さき「ひさお。どうしたの?えっ?行く行く!待ってるね。」
さきは思った。はあ。また太るじゃない。。でも、鰻屋さんなんて断われないよ。鰻なんて昔付き合ってたおじさんに連れてってもらった一回だけ。そりゃ飛びついちゃうわ。初めて食べるということに記憶を改ざんしようかな。
ひさお「ただいま。」
さき「どうしたの鰻なんて急に。」
ひさお「新商品完成記念だよ。会社が関係者に10000円完成のねぎらいでくれたから。贅沢しようと。ああ、さきの購入した分、机の上に置いておくね。」
さき「会社、気前いいね。売れなかったらどうするの?」
ひさお「どう考えても売れるでしょう。」
さき「まあ、私も売れると思うけどね。」
ひさお「店予約したから行こうか。」
さき「うん。」
2人は鰻を美味しくいただき、さきは思った。前のおじさんの鰻って何だったの?全く別の食べ物だったわ。
美味しさが違い過ぎる。やっぱり前のはノーカンでいいわ。
さき「私、鰻初めて。すごい美味しいね。」
ひさお「そういえば貧しい家庭だったんだよね。でも、そういう僕も何年も食べてないよ。」
お腹も満たされ、幸せそうにひさおの腕につかまり一緒に車まで歩くと、ひさおは助手席のドアを開きさきは車に乗り込む。
羨ましそうに眺めるおじさんをよそに、ひさおが車に乗り込むと口づけを交す2人だった。
すっかり満足して帰宅すると、新商品をかばんに入れる。
さき「たまには外食もいいわね。食事作らないのも楽だし。」
ひさお「まあ、楽だけど、往復の時間考えると時間は変わらないな。しかし美味しかったな。」
さき「そうだ。教科書捨てようかな。」
ひさお「後々使うかもしれないよ。」
さき「ひさおは使ったことあるの?」
ひさお「1度もないかな。やっぱり要らないかもね。」
さき「みんな頭に入っているし邪魔なだけよ。大学の教科書がまた増えるだろうし。」
ひさお「要らないもの、いろいろ捨てようか。要らないものリビングに持ってこよう。」
さき「そうね。私、部屋の片付けして、お風呂入ったら寝るわ。」
ひさお「僕も、少し片付けしよ。」
翌朝、廃棄するものをリビングに集めたら段ボール5箱分もあった。
ひさお「すごい量だな。今日、外回りのついでに捨ててくるよ。」
さき「ありがとう。ひさお、ご飯食べて。」
ひさお「ありがとう。いただきます。」
さき「ちょっと早いけど、私学校行くね。新商品を配らないと。」
ひさお「ありがとう。行ってらっしゃい。」
さきは、学校に着くと、みゆ、彼、ゆなに新商品を渡す。他にも校長先生、親しくはなかったが登録が多い事前に承諾してくれた女の子に渡した。残り3個。1つは、自分が新たな挑戦として自ら宣伝するために使うと決めた。あと2つは、宛がなかったため考えることにした。
ひさおの会社のホームページが朝9時に変わり先頭が注文画面になった。
さきはスマホで確認し「予約開始か。長かった。みんな頑張ったね。おめでとう。」
ゆな「さき、ずいぶん探したわよ。あのさ、あれすごいよ。良く考えてある。あの価格でも高くない。あれは売れるわよ。間違いない。」
さき「ごめん。みんなに渡してたから。。私も売れると思う。会社のみんなすごく努力したから成功してほしいな。」
彼「お姉ちゃん、気に入ると思うよ。話したら、任せなって、かなり気合い入れてた。弟を有名大学に入れてくれた人なら相当気合い入れるってさ。」
さき「ありがとうね。あっ、授業始まるわ。」
授業を終えて放課後、廊下で校長先生とすれ違う。
校長「さきさん1人だから言うけどね。昨日、夜街で見かけたよ。保護者と腕組んでるの。」
さきは、ドキっとした。どうしよう。。
さき「あの。。。」
校長「どう見ても、あれは保護者じゃないな。恋人だね。夜にあの雰囲気はねえ。車の中で見てはいけないものも見てしまったし。」
さきのドキドキが止まらない。もはや、言い訳出来ない。
どうしよう。。正直に言おう。
さきは震えながら「あの、彼には命を助けられました。私を救ってくれました。だから、私は一生かけて彼を幸せにしたいし、生まれて初めて幸せになれました。だから。。」
校長「いい人と出会えたね。良かったね。新商品、知り合いにしっかり宣伝頼むから。すごい有名な人なんだぞ!しかし、彼羨ましいな。私と似た歳なのに。。こんな美人と。。ああ、私は何も見てない。いい?私は何も聞いてないから。」と手を振って去って行った。
さきは、力が抜けてしゃがみこんでしまった。
遠くで見ていた、ゆなが全力疾走でさきのところに近寄る。みゆ達も、ゆなを見て廊下を見ると、座りこんでいるさきを見て慌てて駆け寄る。
ゆな「さき。大丈夫?動ける?」
みゆ「どうしたの。」
彼「何があった。」
さき「校長先生に昨日の夜、腕組んでいるところ見られた。キスしたのも見られた。。恋人同士だろうって。言い訳出来なかった。だから全部正直に言った。」
みゆ「何でよ。何で言ったのよ!どうしよう。ねえ、どうしよう。。」
さきが落ち着き、立ち上がると「校長先生。私は昨日何も見なかった。僕は何も聞いてない。って去って行った。」
彼「良かった。。校長先生、粋だな。。」
さき「完全に終わったと思った。」
ゆな「あと数日だけだから、慎重にいきましょう。」
さき「うん。ひさおが決して手出さないの初めて理解した。私、本当に愚かだった。」
ゆな「手?ねえ、あなた手組んだんじゃないの?」
みゆ「もう。本当にしょうがない子ね。セックスしないって意味よ。ゆな。まだまだね。」
ゆな「そうか。そういうこと!ごめん。」
さき「大丈夫よ。まだ恋愛経験1ヶ月なんだから。ゆなは汚れてはいけない。」
彼「さきさん。みんな汚れてるのか。。」
みゆ「みんな真剣に愛し合ってるだけ、ゆなも同じ。びっくりしたけど、丸く収まって良かった。校長に感謝だね。みんなで帰ろっか。ゆなも帰れるの?」
ゆな「部活は休むって伝えた。さきの新商品を今日、届けてくるからさ。」
さき「みんなありがとうね。ちょっと胃が痛いから、みゆ、掴まらせて。」
みゆが彼に「さきの荷物お願い。」
さき「ありがとう。」
みんなで帰り、楽しく会話し、次第に胃の痛みも収まった。
ゆなが先に別れた「私、電車でアナウンサーの所行くから。またね。」
さき「よろしくね。みゆもここで大丈夫だから。」
みゆ「いや。家まで送る。私、後悔したくないから送る。」
さきを家まで送ると、2人が帰る途中で目に入った建物。
みゆ「ねぇ。少しだけ、ゲームセンター寄ろっか。この時間は保護者なしで入っていいし。お菓子取って、私の家でデートしたいな。」
彼「それは絶対景品取らないとだね。」
みゆ「行こ行こ。」
ゲームセンターで取ったお菓子をみゆの家で2人で食べながら1時間くらい楽しく過ごすと、彼は帰っていった。
※※※
自宅で一人になったさきは気分が落ち込み、真っ暗な自分の部屋でしゃがんでいた。
ひさおが帰ると、さきを見つけ「どうした。大丈夫か?何かあったのか?」
さき「校長先生に昨日腕組んで、キスしたの見られちゃった。言い訳出来なくて、本当のこと話しちゃった。」とポロポロと涙をこぼした。
ひさお「えっ。。どうなった。」
さき「大丈夫。先生、何も見なかった。何も聞かなかったって言ってくれた。」
ひさお「良かった。。。油断した自分が悪かった。」
さき「私、ひさおの言ってたこと、初めて分かった。学校のルール守る。ひさおが正しかった。愛する気持ちに素直に従ってたら、きっと今頃。。ひさおを傷つけてた。」
ひさお「あと数日は家の中だけ、恋人同士にして気をつけようか。僕が悪かったよ。ごめんね。」
さき「うん。もう大丈夫だから。」
ひさお「休んでて。食事作るから。」
一緒に食事をして、お風呂に入ると、さきはひさおのベッドに入り、腕を組む。ひさおが頭を撫でると、さきが「愛してる。」と口づけする。ひさおは「愛してる。」とさきを抱きしめる。
しばらく一緒に過すと、すっかり笑顔が戻ったさきは「寝るね。おやすみ。」と部屋に入って行った。
ひさおは1人で反省した。
もし、校長先生が丸く収めてくれなかったら、問題になってた。
でも、気持ちに自然だと。。今は無理してる。何が正しいのか。。あと数日で、気持ちに素直に行動していいのだから、とにかく今は気をつけよう。これも愛のかたちだと思う。




