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SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜  作者: ぴい
第1章 孤独からの解放

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「第3話」また夫婦喧嘩。。

 学校から帰宅すると両親が口論している。


 いつもなら寝ている時間なのに。これが嫌だから遅く帰るのに。もう最悪。

 しかし、どうも、いつもと様子が違うことを感じた。



母「どうして、そんなことしたの!どうするつもり?」


父「10倍に増えるって。そしたらさきを楽に大学に行かせられるから。」


母「だからって、どうするつもり?そのお金に手をつけるなんて。」



さき「どうしたのよ?私のことで喧嘩するのはやめて。」



母「さき、大学のために一生懸命貯めたお金を訳の分からない投資に使ったのよ。」


さき「えっ?」


父「ごめん。さき。許してくれ。必死だったんだ。入学金は何とかなったけど、その先が苦しかったから何とかしようと。。。許してくれ。」


 さきは覚悟して「私が大学行かなければいいんでしょう。だから私のことで喧嘩しないで。」と。


父「それが。。。3000万円の借金になって。」


母親がすごい剣幕で怒る「どうするつもりだ!家族を不幸にして嬉しいのか!」



さき「みんなで考えましょう。今日は寝ましょう。」



 なかなか寝つけないさき。


 両親の寝室から喘ぎ声が聞こえる。ん?あの2人。。してる。どうなってるの?さっきの喧嘩は何よ。。なんで、こんな状況で出来るのよ。もうイヤ。


 失望しながらも知らず知らず眠るさきだった。



※※※


 朝、さきが起きると、母親が怒り心頭でタバコを吸っている。


 さき「お父さんは?」


 母「玄関で首吊って死んでるよ。全く非常識で無責任なこと。今警察呼んだから、見ないほうがいい。しばらく部屋にいなさい。」


 震えながら、さきは父親らしきシルエットを擦りガラス越しに見ると自分の部屋に戻った。

 


 どうしてこんなことに。。。


 私がいるからいけないの?


 お母さんは何で平気なの?昨日の声は?


 いったい何なのよ。


 私もう、どうしたらいいの。。



 泣き崩れるさきだった。



※※※


 警察の検証も終わり、自殺と断定され、安置された父。


 もう話すことは出来ない。

 方法はともかく、お父さんが一生懸命だったのは分かった。

 大学の推薦の話が出た時に、あんなにも喜んだのは初めて見た。私が大学に行けば、家族が一つになるかも知れない。初めて希望が見えた瞬間だった。


 なのに、私の大学のせいで。。こんな考えられない状態になってしまった。私が悪いの?



 葬儀を終えると、母親が「さき。帰るよ。全く。生命保険も解約しやがって。。どうしようもない野郎だよ。」


 もはや、どうしたらいいのか分からなくなってしまったさきだった。



 家に帰ると、ガラの悪い連中が家の前に立っている。借金の取り立て屋だった。



取り立て屋「3000万。返済して頂きましょうか。」



母「今日は腐っても、葬儀の日だ。出直して。」


取り立て屋「何だ、その態度は。それが借金している人間の取る態度か?」


母「今日は帰れと言っただろ!」



 今日は何を言っても無駄だと察し、取り立て屋は一旦引き下がることにした。


※※※


母「さき。借金の話は私が解決するから、学校に行き、卒業しなさい。大学はあきらめて。」


さき「お母さん。私も協力するから、一緒に頑張ろう。」



 母は何も答えなかった。


 翌朝から学校に行くさき。




 これが最後に母親を見る機会だとは考えてもいなかったさきだった。


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