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SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜  作者: ぴい
第2章 人と繋がる喜び

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「第38話」2人ぼっち。

 月曜日夜から朝まで2人きりの時間を過ごせた。久しぶりのように感じた。

 2人とも今一番求めていたことだったのだろう。



 さきは、企業研修でひさおの仕事での疲労感を体験を通じ学んだ。

 学校に行き、ただ流しているだけの自分とは疲労が全く違う。私が頑張らないと。



 さきは早起きし、朝食を作る。時間ギリギリまでひさおを寝かせ、起こす。

 ひさおが起床し、歯を磨いてテーブルに付くと一緒に食事をした。



さき「ひさお。金曜日の接待は綺麗なお姉さん系?あの別にお触りとか全く気にしないから。お酒の席かなって。」


ひさお「料亭での会食だよ。二次会でそういう場合もあるけど、かなりのお得意様の時しかない。もう最近は、そこは部下に任せているんだ。さきのこと考えるとやましい気持ちになるし、元気かなって気になるから、心ここにあらずって感じになるんだ。だから、『高校生の保護者してますから、今はお付き合い出来ないので部下と行って下さい。』って帰ってくる。部下はタダでキャバクラとか行けるから喜んで行くよ。本来は部長クラスしか行けないからね。」



さき「へー。そうなんだ。」とちょっと嬉しくなる。

さき「ねえ。風俗とか接待するの?」


ひさお「さすがに無いなあ。。今は流行り病とかのリスクもあるし、そこまでして仕事取るのは上場してからは会社としてやらないよ。役員クラスは全く分からないけど、法に触れる可能性があるようなことは絶対しないな。昔はあったのかな。。昔のことは、僕が出世する前だから詳しく知らないね。そんなダークじゃないよ。あの会社って。」


さき「それで結局、金曜日は飲むの?」

 

ひさお「毎回、最初の乾杯だけさ。そこで、『高校生の保護者してますので私はアルコールストップさせてください。』って言うから飲まされることはないんだ。」


さき「金曜日は食事だけか。。」  


ひさお「何で?」

 

さき「いや、土曜日の食事メニュー考える時の参考にしたかっただけ。飲むならメニュー変えたほうがいいかなって思ったの。ねえ、土曜日の社長のスケジュール確保出来てるのよね?」


ひさお「言ってあるから大丈夫だと思う。一応最終確認してくるよ。」


さき「結構人気らしいから、昼前の上映は席の確保は難しいかな。」


ひさお「あのおもちゃ屋の近くの映画間は会員登録してるから予約取れるよ。座席も取れるから大丈夫だよ。」


さき「そうなんだ。」


ひさお「社長の都合聞いて、今日中に取るよ。」


さき「11時くらいの上映予約して、映画の後は牛丼食べておもちゃ屋。社長が来たいなら家で夕食。念のためカレー作っておくわ。」


ひさお「いいスケジュールじゃないかな。また聞いて報告する。」


さき「そろそろ学校行くね。」  


ひさお「行ってらっしゃい。ああ、後片付けはしておくから行きなさい。」


さき「分かった。ありがとう。」と登校した。


 一方のひさおは片付けをして出勤した。



 学校に着くと改めて実感する。

 実に無駄な学校の時間だ。まさに参加することに意義があるってやつだな。。



 帰宅し、ひさおに心をこめて夕食を作り、夕食を食べるとラブラブの時間を過ごす生活を金曜日の朝まで続けた。


 金曜日の朝、さきは学校に向かった。

 今日はひさおも遅い。ひさおには友人とカラオケに行き、ごはんを食べると伝えた。

 


みゆ「さき。このメンバーで遊ぶの久しぶりね。」


さき「そうね。1週間ひさおとラブラブしたから、今週は充実してたな。。ゆなと3人って久しぶりね。紹介の日は除くと買い物くらいしか記憶にないな。」


みゆ「そうね。あの子陸上忙しいからレアよね。」



 退屈な授業が終わると、4人でカラオケに行った。


 ゆなはアニソンばかり。さきは激しい曲ばかり。みゆは最近の流行りばかり。彼はバラードばかり。なんだか不思議なカラオケだったが、ゆなは歌が下手だが面白いということを初めて知った。


 カラオケを終え、夕食を何にするか相談する。

 陸上の栄養バランスも考え、ファミレスでメニュー選べるのが一番という結論になり、ファミレスでの夕食となった。


 カラオケでは出来なかったが、ようやく話が出来る環境になり、4人は話がはずんだ。


みゆ「やっぱりさー。さきの歌ってすごいわよね。前から思ってたけど、歌で食べていけると思うのよね。」


さき「あの世界は上手いだけではダメよ。運もいる。それに、私は別に聴かせたいとか無いから。ビジネスの世界のほうが魅力を感じるし、不安定な収入は好きじゃない。有名にもなりたくない。ひさおと出会ってからは特にそう思う。大切な人に時間使うほうが価値あるし、それだけで時間埋まっちゃう。」



彼「大切な人に時間か。。確かにそうだな。今のままではいけないだろうな。さきさんみたいに先も見据えないと見失うな。」


ゆな「ねえねえ。私、陸上ばかりで高校生活満喫するの初めて。だからすごく嬉しい。ありがとうね。あー。高校生活もいよいよ終わりか。」


さき「やっとって感じね。。私はいろいろあり過ぎて長かったな。一番の幸せを手に入れたから。まあ、いい高校生活だったわ。」


彼「みゆと出会えた。さきさんに教わり、入れるはずがない学校にも合格出来たし、初めて友人が出来たから最高だったよ。」


みゆ「彼と付き合えたのが一番かな。さきには悩まされたなー。幸せにしてもらえたけど。。本当に大変だったな。」


彼「さきさんが行方不明になった時、1週間くらいずっと探し回ってたんだよ。僕も探したけど親しくないから見当つかないし。あの時は、みゆは全く僕のことは眼中になかったんだよね。」


さき「知らなかった。親が勝手に携帯解約したしね。それに、いい報告出来ないから、連絡しようとも思わなかった。大学から飛び降りるつもりだったからさ。そのおかげで、ひさおと出会えた。本当に不思議だよね。」



ゆな「えっ!そこまでだったなんて。。みゆも教えてくれなかった。私、今初めて聞いたわ。。」


みゆ「あの時のこと思い出すから、言う気になれなかった。自分で聞いてよねって気分だったのよ。」


ゆな「私は中学卒業して距離が離れたから聞く資格はなかった。けど、いつも気にはしてた。だから、あの時すごく陸上の調子落ちたんだ。。1位は元々全国レベルの怪物だったけど普通なら2位になれた。だけど、リズムが狂って4位。あの瞬間に大学あきらめたの。でも、自分にとってさきがとても大切な存在って分かったから、まあ結果も考えたら良かったと思う。」



さき「本当に迷惑かけてすみませんでした。」  



みゆ「いいよ。あんな状況なら当たり前だから。それに、全員さきから、それ以上のことしてもらったし。4人で同じ大学の同じ学部よ。考えられないよね。」


さき「そういえば、最終的にいくつ合格したの?」


みゆ「私は一つ落ちた。彼は二つ落ちた。2人とも合格したのは最初とさきの学校だけ。」


さき「えっ?最後の滑り止めは落ちたってこと?」


彼「合否なんて興味もないから見ずに捨てたよ。だから2人とも結果不明。」


さき「なんか、かわいそうな大学ね。」


みゆ「いいんじゃない?要らない人間には大学も結果通知してサヨナラって態度だし、必要ないから仕方ない。それに不合格だったら不愉快さだけ残るから、彼と見ずに捨てようって言ったの。」



 夕食を終えるとファミレスの外で話をする。

 

ゆな「美味しかった。みんな、もう少し遊びたいな。」


さき「8時か。じゃあ。ひさおに教えてもらった所に行くか。」


みゆ「どこ?」


さき「ついてきて。」



 歩いて数分のゲームセンターだった。


彼「ゲームセンター?」


ゆな「何するの?楽しいの?でも、ゲームセンターって学校で禁止されてない?補導されたらマズいよ。」


みゆ「相変わらず固いね。学校で年に一人合格するか、しないかの名門大学に4人合格したのよ。補導されても穏便に処理するわよ。」



ひさお「皆さん。何してるの?ゆなさん、保護者いたら問題ないでしょう?なあ、ゆなの彼氏さん。」


営業マン「保護者ではないですが、大人の同伴者ですからルールも守れるんじゃないかな。」



ゆな「あっ!接待終わったの?おっぱいどうだった?」


さきは頭を抱え「だから、最悪の場合そういうお店行く場合があるからね。って言ったのよ!」



ゆな「。。。接待って、女の人のおっぱい触るものじゃないんだ。」


みゆ「ちょっとあなた大丈夫?彼氏。ちゃんと勉強させなさいよ。」



ひさお「まあまあ。よし、久しぶりに入るか。さきは営業マンとゆなさんのアシスト。僕はみゆさん達をアシストね。」


さき「分かったわ。」


さきグループが歩いていると、ゆなが「あっ!このアニメ大好き。」と。


さき「彼氏。出番よ。」


 2人で頑張るが3000円でも取れない。さきが通りかかる店員に「結構使っちゃったけど。」と声をかける。


店員「はい。。あっ!テレビで見たことある!テレビより全然綺麗だな。。押すだけで落ちます。とクレジットを1カウント入れる。」

 

 ゆなが押すとアニメのブランケットが取れた。店員が景品をセットし去って行った。


さき「仕方ない。お揃いにするか。これは、横に回転させて、先が出たら持ち上げるのよ。ほら、先かなり出たでしょう?ここで、一番後ろではなく、真ん中よりちょっとだけ後ろを両方のアームで持ち上げるの。」


 さきは、景品を800円でゲットし、彼にあげた。


営業マン「すごいな。。」


さき「ひさおに教わったの。私も最初は全く出来なかったわよ。」


営業マン「じゃあ。あの水筒は?かわいいし陸上で使えそうなんだけど。」



さき「確かに。陸上で使うとかわいいって印象ありそうね。これ、結構難しいよ。やり方はさっきと似てるけど違うのよ。90度回転させると片側だけ落ちて止まるのよ。真上に持ち上げると運で落ちるけど。運がね。。いつ来るかが分からない。」  


 ほぼ垂直にするのに1500円かかり、3回持ち上げると水筒がバーの間をすり抜けて落ちた。


さき「ひさおに言われたの。楽しむためだから採算は考えるなって。でもやっぱり買うほうが安いわね。」  



ゆな「私も自分で取りたい。」


さき「じゃあ、一番簡単なたこ焼き器に行こうか。本当はお菓子が一番取れるけど、アスリートにはダメな景品だからね。それに欲しい景品選べるからいいと思う。」


 3人は全埋めで3個ゲットを狙いに行く。



※※※


みゆ「何?この景品。」


ひさお「カップラーメン1ケースみたいだな。やったことある?」 


みゆ「UFOキャッチャーは前にやったけど、全く取れなかったから、彼とゲームセンターはやめようって。」


ひさお「これは取りやすいよ。あっ!ワカメスープあるな。後で取ろう。これは、まず真ん中の真ん中を持ち上げてください。アームの先をよく見ててね。」


 みゆが真ん中を持ち上げると、左のアームが少し持ち上げたが動かない。


ひさお「見てた?左が持ち上げたでしょう?左が力あるの。つまり左アームは一気に動くということ。でも景品が右に行ったら、終わり。だから、敢えて右のアームを景品の真横、左アームが離れた状態で右アームを使って奥を攻めて景品を回転させる。そうそう。400円?45度回転したね。もう少し繰り返す。60度以上回転したね。700円か。勝負するか。今度は、左アームを景品の手前のすぐ左に奥行きは移動なしで落とす。奥行きはボタン叩くだけ。」


 景品が一気に回転し、今にも落ちそうだ。


ひさお「左アームで景品押すか、左アームを今と同じで落ちるよ。」


 左アームを景品の真横に落とすと景品が落ちた。


彼「すごい!800円で。プラスじゃない?金額は気にしないほうがいいけど、プラスだと嬉しいのは確かだよね。」


ひさおは店員にワカメスープを置いてもらった。


ひさお「さっき見てたら、左アーム予想以上に強いから、試しに技使ってみるわ。バーに滑り止めのチューブ巻いてあるでしょう?だから、左アームを気持ち遠くのバーの上に刺すの。アームが滑り止めで引っかかり、勢いよく動くから反動で景品飛ぶから。」


 ひさおがやると、一発でグルっと回転した。先ほどと同じように景品の真横に左アームを落とすと景品が落ちた。

 

みゆ「200円!ボロ儲けじゃないですか。」


ひさお「昔、高い授業料払いましたから。たまには返してもらわないとね。」


彼「ポテチ取りたい。」


ひさお「やってみて。」


 彼は持ち上げるけどびくともしない。


ひさお「さきも同じだったけど、持ち上げたくなるよね。いい?真ん中の真ん中をアームで刺して。3回くらい。」


 景品が沈んだ。


ひさお「左下をアームで刺して。」


 滑りおちるように景品が落ちた。


彼「えーっ。500円で。考えつかなかった。すごい能力ですね。」


ひさお「ちなみにフィギュアを取る才能はないから。取っても邪魔になるから、勉強しなかったから無理です。」


みゆ「いろんな景品あるな。あっ。さきたち、すごい取ってる。」


ひさお「やるね〜。全埋め?」


さき「5000円で3回目の全埋め。」


ひさお「2人ともピンポン玉取るの上手いね。」


さき「ひさお達もやる?」


ひさお「欲しい景品ある?」


みゆ「ブランケットかわいい。」

彼「フィギュア。苦手でしたね。」


ひさお「これは大丈夫。好きな景品選べるから。」


 ひさおにはピンポン玉を取る技を伝授する。2人は何とか2000円であと1個で全埋めだが、ピンポン玉が邪魔して入りにくい状態になっている。


さき「ひさお。大丈夫よ。見てないわ。」


 ひさおが100円入れてたこ焼き器のピンポン玉と山にアームを突き刺すとピンポン玉が散らばり全埋め達成し、欲しい景品を1個ずつ選んだ。



ひさお「9時だから、帰ろうか。お前、ゆなさんを送り届けて。みゆさん達は送ろうか?」


みゆ「私達は大丈夫。彼、柔道黒帯だからよほどじゃないと大丈夫。」


さき「じゃあ、解散しようか。ゆな。楽しめた?」


ゆな「すっごい楽しかった。推しキャラグッズ嬉しいな。」


さき「みゆ達は?」


彼「ゲームセンターでこんなに簡単に景品取ったの初めて。すごい勉強になったし、黒字だし。気分いい。」


みゆ「また月曜にね。最後の1週間頑張りましょうね。」



 楽しい集まりは解散となり、みんな帰宅した。



さき「ひさおは何取ったの?」

ひさお「ワカメスープ。200円。」


さき「家計に優しいわね。」


ひさお「さきもずいぶん上手くなったな。何か同じ景品3個じゃない?」


さき「明日映画見るから、3人お揃いよ。前回学んだことしただけ。でも、早く取れると嬉しいわね。たこ焼き器って赤字よね。」


ひさお「社長喜ぶぞ。明日朝は9時に家に来るってさ。気合い入ってる。あのたこ焼き器の景品は十分稼いだか、人気ない在庫処分なんだよ。最後まで利益取るために考案されたと言えるかな。店によっては難易度すごく高くして、むちゃくちゃ高額景品の場合もあるけど、あの店は在庫処分なんだ。」



さき「そうなんだ。だから、簡単なんだ。。ねえ、ひさお。お風呂入れて先に入って。カレーだけ作っておくから。」


ひさお「分かった。」


 自宅に到着すると素早くカレーを作り、さきも入浴し、ひさおのベッドでくっつく。


さき「ねえ。社長、明日泊まらないのかな?会社の仮眠室よりこっちのほうが良くない?」


ひさお「聞いてみるかな。週末は自宅の場合が多いみたいだから、泊まるかは分からないよ。前回は酔っぱらったから、会社に泊まっただけだから。」


 ひさおが電話で確認すると、是非という回答だった。


ひさお「泊まるらしいよ。すごい嬉しそうだったよ。俺は緊張するけどな。」


さき「仕事離れたら、ただの同じアニメ大好き仲間よ。社長じゃないわよ。」


ひさお「それも、そうだな。寝るか。」


さき「おやすみ。」とキスして2人は眠った。


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