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SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜  作者: ぴい
第2章 人と繋がる喜び

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「第20話」ひさおの仕事ぶり

 いよいよ高校最後の三学期が始まった。


 さきが教室に急ぎながら、掲示板をふとみると『企業体験の募集』が貼り出されていた。


 何気なく見ると、ひさおの会社ではないか。。。しかも営業部門の仕事の体験!


 ひさおの仕事ぶりを未だに知らないさきは、応募に飛びついた。期限が今日までじゃない。さきは急いで職員室に行き参加希望を伝えた。


先生「さき。これはね、本来は2年生のための募集なんだよね。。あっ、校長。さきさんが、企業体験したいと。3年生なんですけど。」


校長「一人も参加しないのも学校としても今後に悪影響が出るから、相手企業が許可するならいいですよ。もちろん、出席扱いにするから、日数の心配は要らない。さきさんには卒業して頂かないと困りますからね。」



 先生が電話確認すると、承諾された。


先生「さき。許可出たから、来週の月曜日から金曜日の5日間、会社に行って終了レポートを提出しなさい。」



さき「ありがとうございます。」



 職員室を出た途端ガッツポーズするさきをみゆが目撃した。


みゆ「なになに?どうしたの感情を表に出すなんて珍しいわね。」


さき「あのね。ほら、これ。」と用紙を見せる。


みゆ「うわっ。よく見つけたね。受験なかったら、私もすごい興味ある。さき、絶対ラブラブしたらダメだからね。」


さき「分かってる。」


 

※※※


 企業体験が楽しみで1週間が長い。


 体育の授業でバレーボールをした。


 さきがジャンプしてアタックすると綺麗に決まる。



 それを遠くから眺める、ゆな。さきをじっと観察している。


みゆ「ゆな。どうしたの。」 


 ゆなは何か考えながら無言で去って行った。




 企業体験を待ち望みながら1週間を過ごし、待ちに待った週末になった。


さき「ひさお。デートしたいな。」


ひさお「デートは家でしよう。今はインフルエンザも流行っている。もし、かかったら卒業出来なくなる。今は慎重にいこう。」


さき「分かった。ひさおと一緒なら、うれしいから。」


ひさお「じゃあ、僕のオススメ映画みようか。ちなみに泣く路線だよ。」


さき「ハッピーエンドじゃないの?」


ひさお「ハッピーエンドだよ。2日ずっと見るならドラマのほうがいいかな。あれ、見るか。見終わると廃人みたいになるから覚悟してね。」



2日かけて見たドラマは、さきが見たこともない作品だった。



ひさお「どうだった。」


さき「すご過ぎて泣きっぱなしになっちゃったじゃない。余韻がすごくて。。HP残ってない。」


ひさお「毒の沼歩いたら何歩で死ぬ?」


さき「3歩ぐらいかな。。」


ひさお「合格。参ったでしよう?」


さき「これ有名なの?」


ひさお「超マイナーだよ。たぶん100人に聞いても一人も知らないだろうね。」


さき「何で、こんなにすごいのに有名じゃないの?」


ひさお「僕と出会ったから見れたの。僕と親しくなった特権だね。」



さき「胸がいっぱい。一人で寝ながら余韻に浸るわ。おやすみ。」


ひさお「おやすみ。明日から学校頑張ろうね。」



さき「来週はむちゃくちゃ頑張るつもりよ。」



※※※


 朝、ひさおに食事を作ると、ひさおは急いで食べて出勤した。


 さきは、ひさお。後でね。と心で呟いた。



 ひさおは出勤しながら思った。ん?いつもさきが先に登校するのが多いけど。。出席大丈夫か?



 約束の時間になり、さきは企業体験に向かう。



 総務の案内で職場に着くと、紹介された。



 総務担当者「皆さん。今日から1週間、企業体験に来たさきさんです。ではさきさん。一言どうぞ。」


さき「はじめまして。1週間学習したことを後々に働く時に役立てたいと思っていますので、精一杯頑張りますので、よろしくお願い致します。」



 すごい綺麗な女子高生が来た。職場は拍手がおこった。唖然とするひさおを除いては。



 総務担当者「部長、あとはお任せします。」



 ひさお「で、では、簡単に会社の案内をします。ついてきて下さい。」



 ひさおは社内を案内する。


ひさお「お前、何を考えているんだ。びっくりしたよ。」


さき「へへっ。ひさおさんの仕事ぶりが見たかったからさあ。」



ひさお「これは地獄の1週間だぞ。」



 案内が終わると昼食になった。


 さきは、ひさおの前に座り食事を食べる。ひさおは思った。マズい。弁当が同じ。ヤバい。どうしよう。

 さきが弁当のフタを開けると、ひさおとは中身が違う。


 どうやら、さきのほうが1枚上手のようだ。



 昼からは、係長から受注入力を学び、すぐに覚えてしまったため課長の売り上げ分析作業を学んだ。

 さきには分析方法に違和感を感じ、エクセルで分析ツールを作り入力する。

 印刷すると、現状の会社のセールスの長所と短所が一目瞭然だった。



部長「さきさん。ちょっと。受付業務を手伝って欲しいらしい。休みがいて人手が足りないそうだ。」


さき「分かりました。入口にいけばいいのですか?」


部長「そうです。よろしくお願いします。」


 さきが1階へ向かう。



 営業部の皆が部長の元に集まる。


課長「あの子、凄すぎます。このデータ見たら、会社の特徴が一目瞭然なんですよ。」


係長「入力もすぐ覚えて、終わった後で渡されたのですが、入力システムの改善点をまとめてあって内容が凄いんです。これやったら業績改善効果は高いと思います。」



 さき。大学の想定問題を見た時から分かっていたけど、初日からやり過ぎだよ。。参ったな。


課長「部長。あの子、絶対囲わないとダメですよ。」


部長「大学行くから4年も囲えないぞ。」


課長「何で進学するの知ってるんですか?まだ入試始まってないんじゃないですか?」



 。。。んー。ダメだ。。何してもボロが出る。参ったな。。



部長「昼食の時に聞いたんだ。せっかく有効なモノを手に入れたなら活かしなさい。課長、後でちょっと相談が。1時間後に戻るから。」



さきが受付業務を終えて戻ると「課長よろしいでしょうか?」と。


課長「どうしました?」


さき「先ほどのファイル、もう少し改良したいんですが。」


課長「ではファイル開いておいたから、このパソコンで作業して下さい。」



 さきが作業していると部長が戻り、課長を呼ぶ。すぐ後ろの部長の席で打合せが始まった。


課長「何でしょうか?」


部長「週末の新規開発商品の販売方法。どうする?直販するか、業務委託するか。微妙で悩んでいるが、君はどう思う。」


課長「個人的には非常に微妙ですが、業務委託で薄利でいいから、営業力を他に回すのがリスクもなく、確実に利益出せると思いますが。」


部長「万が一、大ヒットしたら。。非常にもったいないぞ。残念ながら3980円なんて価格では利幅少ないからな。しかし、新商品は読めないから難しい。ただ、セールスマンとして自信持って売れる商品だ。後ろめたさを持たず売れる商品。非常に悩む。週末まで考えよう。会議には社長が同席することになったらしいから、最良の案を出す必要があるぞ。」



課長「社長が。。。かなり社運かけてる証ですね。心して取り組みます。部長、さきさんの明日の予定は?」


部長「1日で通常の体験でやらないレベルを既にやっているしな。。そうだな。基本を知らないだろうから、お客様と会わせて名刺交換とか、電話対応してもらうか。簡易名刺を昼までに用意させてくれ。」


課長「分かりました。」



部長「ん?さきさん。もう終了の時間過ぎてるよ。」


 とっくの昔に改良は終わっていた。さきは話が終わるまで2人の話を聞きたかっただけだった。


さき「あっ。エクセル改良終わりました。課長、更に分かりやすくなっているはずです。1度使ってみて下さい。それでは失礼します。」



部長「なんか疲れたな。。今日は帰るか。」


課長「はい。何かね。。。そうですね。」



※※※


 ひさおが帰宅すると、さきが食事を作り待っていた。


さき「おかえり。」とキスする。


ひさおは食卓に座り一緒に食べる。


ひさお「今日はすごく疲れたよ。誰かのせいでさ。」


さき「ねえ。ひさおって、すごいね。」


ひさお「何が?」


さき「仕事してなさそうに見えて、常に全員の様子見て絶妙なタイミングでフォローする。私には出来ないわ。ますます惚れちゃった。」


ひさお「よく気づいたな。皆は仕事してないと思ってるよ。自分いないと組織機能しないとは思うけどね。さき、いいか、皆が自分の力でやっていると思わせて、実はガードに守られている。これがポイントなんだ。上司が助けてくれたと感じさせた時点で上司としては一流じゃない。」


さき「だから、すごいのよ。私には無理。明日もよろしくお願い致します。」



ひさお「明日は、基本を学んでもらう予定だよ。そちらのほうが体験としては大事。でも普通の体験入社では教わることはないから。」



さき「楽しみ。」



 慣れない1日ととんでもない1日で、やや疲れたのだろう。


 2人は、あっという間に眠りについた。


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