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SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜  作者: ぴい
第1章 孤独からの解放
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「第1話」また、告白か。。

 まだまだ、真夏の暑い日照りの中でセミが鳴いている。快晴の天気の中で、セーラー服姿のさきは学校に登校する。


 夏休みが終わり、今日から二学期が始まった。



 いい天気ね。。私の心と違って。。



 久しぶりの学校。久しぶりの教室。


 ようやく、あの息が詰まるような家にいる時間が減るな。。と考えてながら自分の席に座っていると、友人のみゆが駆け寄る。


みゆ「さき。久しぶり。元気だった?」


さき「うん。みゆは?なんか彼氏が出来たってメールきてたね。」


みゆ「元気よ。」

みゆはひときわ小声になり「ねぇねぇ。あのね、私、彼に初めて捧げちゃった。絶対内緒だよ。私、さきだけにしか言わないから。。。ねぇ、帰りにカラオケ行こっか。」


さき「それは良かったわね。とても幸せみたいね。カラオケ?いいよ行きましょうか。」


 

 みゆは、さきが一番心を許している相手である。

 それでも、さきは自分から悩みを打ち明けたりすることは決してなかった。

 みゆもそれは感じていた。さきの家庭の状況は、中学時代を知る友人から聞いていた。

 全く気配も出さないが、さきの心の中には何か重いものがあると、みゆは、感じていた。


 みゆにとってさきは親友と言える存在だった。


 みゆに嬉しいことや悲しいことがあると真っ先に打ち明ける大切な存在だった。


 だからこそ、もし、さきが何かを打ち明けることがあった時には、全力で受け止め。支えると誓って接していた。



 その日の昼休み、さきは校舎裏に呼ばれ、告白された。


 さきは、はあ。。またか。どこの誰?


 相手は必死に自分のこと、さきへの想いをアピールする。が、さきの心には全く響かない。


 一通り言いたいことを聞いた後、あっさり断るさきだった。


 全く同年代には恋愛感情は湧かないのだ。『あの人カッコいい。』とかとにかく同世代を異性として見ることは出来なかった。



※※※ 学校帰り ※※※


みゆ「また告白されてたね。あれ、悪くない男だと思うけどな。」


さき「悪いとは思う。でも、全く心に響かなかったし、無理ね。。ねぇ、そういえば彼との初めてはどうだったの?」


みゆ「んー。気持ちいいとか無かったな。あっという間に終わっちゃった。。だけど、すごく幸せだったし、愛されてるのが伝わって、とにかく凄かったの。」


さき「へぇ~。で、どちらから?どうやって?」


みゆ「えっとねぇ。私の家に彼を呼んで。。。何かいい雰囲気になっちゃってキスしたの。そしたら彼がモジモジしたから。。。私が裸になって、私が彼を脱がせたの。そしたら彼が私の上に。だから。私が足を開いて。いいよって。。。あっ!もう。。さき、恥ずかしいよ。」急に我に返り真っ赤になる。



さき「ふーん。ごちそうさま。みゆらしくない強引さね。」


みゆ「私だって体験したかったし、彼ならいいって思ったから。でも、初めてが彼で良かった。」



 さきはみゆを抱きしめ「良かった。良かった。」と頭をおりこうさん。とばかりに撫でる。


 突然のさきの行動にびっくりして、みゆは更に真っ赤になる。


さき「どうしたのよ。急に真っ赤になって。」


みゆ「だ、だって。。さきが抱きしめてくるなんてびっくりした。彼との初めてよりびっくりしたかも。すごくドキドキした。」


さき「んー。そうね。私、初めて抱いた女かも。みゆはかわいいわね。」


みゆ「ちょっと、変な言い方しないでよ。でも、さきが私の気持ち分かってくれて嬉しい。本当は誰にも言わないつもりだったけど、さきには気持ち分かって欲しかったから。」


 さきはみゆと腕を組んで、楽しそうにカラオケ店に向かっていく。

 


 みゆが歌っている。それを見つめるさき。



 さきは本当の愛を知らない。すごく、みゆが羨ましかった。本当に愛されること。。知りたいな。。

 でも、あのみゆが、そこまでするんだ。愛すると大胆になるんだな。。。



みゆ「さき?何をぼーっとしてるの?さきの番よ。」


さき「えっ?あっ。そう。」


みゆ「どうしたの?」


さき「いや。。あのみゆが裸になって、自分から積極的に男に求めるって想像したら。。こんな感じ?」


 さきがみゆを押し倒し、セーラー服の下から胸を触って股に近づく。


みゆ「何?なんか変よ。今日のさき。。もしかして、さきも初めてが体験したいの?」


さき「違うわよ。けど、羨ましかった。それに、何か嬉しかったな。。」


みゆ「さき。。。でもさ、さっき押し倒した動き。すっごい手慣れてたから。さきが、経験ないはずがないわよね。」


さき「ヒ・ミ・ツです。」


 


 こうして、2人のカラオケは楽しく終了し、解散した。が、あの険悪な家にどうしても帰りたくなかった。



 さきは、お気に入りのおじさんに連絡する。さきから当日急にということは珍しかった。3人目のお誘いで、ようやく会えることになり、抱かれるのだった。



 さきの一番幸せな瞬間。自分を必要としてくれる大切な人。


 おじさんは凄く嬉しそうだ。だが、さきの心の闇は知らない。

 既に18歳にはなっているので、幸い大切な人に迷惑をかけることはない。


 さきは、お礼を言って別れ、帰宅の途に着く。



 私なんかで幸せ感じてくれて嬉しい。みゆが感じたのとは違うのかな。。。聞けないしな。。。学校にバレたら終わりだし。

 明らかにみゆの体験を聞き、影響を受けていたさきだった。みゆの幸せを聞き、自分も欲しくなってしまったようだ。



 別れた途端に孤独感に支配された。みゆには無い感覚なのだが、さきが知ることは無かった。


 結局、両親が寝ただろう時間に帰宅するさきだった。


 

 自分の部屋で寝転ぶさき。私、みゆと違うのかな。したことは同じ。幸せだったし。。

 告白受けて付き合ってするとは違うのかな。でも、好きって気持ちないから付き合えないな。

 今日のおじさん。いつもより凄かったな。。私の気持ちが伝わったのかな。。


 人と人の作り出す世界は参加度合いで大きく変化する。

 それを少し理解しかかっているのだが、まだまだ、さきには良く分かっていなかった。

 考えているうちに、さきは眠りに落ちていった。


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