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SAKI 〜〜 ある少女の人生物語 〜〜  作者: ぴい
第1章 孤独からの解放

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「第11話」さきちゃんご立腹

 絶望的な状況のさきを救い、愛し合う同士となった2人。いよいよ本格的に新しい生活が始まった。



 さきは今日から再び学校に登校した。

 すっかり元気、いや以前より新たに親しみが加わったさきに皆は安堵した。



 昼休み、屋上で1人でひさおの作った弁当を嬉しそうに食べる。そこにみゆが近寄る。


みゆ「ごめん。話したら泣きそうだったから。私、何も力になれなくて。」


さき「もう泣いてるじゃん。」と見た事のない優しい表情でひさおのおかずをほうばりながら、みゆの涙を拭い「ありがとうね。みゆ、力になったんだよ。本当に重要なところでね。みゆと親しくなかったら今はなかったわよ。」


 感極まったみゆは、さきに抱きつき泣きじゃくる。


みゆ「さき。ごめんね。私、勇気なかったら。でも後悔は2度としたくないから、何があったのか話して。」


さきは微笑みながら「今日は用事あるから、明日でもいい?明日からテストだから、もっと先のほうがいいか。」


みゆは泣きながら「私に悪い点数取らせたいの?2日分の勉強を今日中に終わらせるから、明日時間取って。」


さき「分かった。けど大丈夫なの分かるよね。」


涙を流しながら、微笑みうなずくと戻って行った。


※※※


 一方のひさおは、さきが登校するなり忙しくなる。

 朝、出勤前に学校に問い合わせると、さきは現在高校3年生で2ヶ月近くの期間学校に行っていなかったようだ。

 あと2日休むと留年らしい。ちょうど明日から期末テストらしく、本当にギリギリだったようだった。


 学校には大変感謝されたが、関係を聞かれたため遠い親戚で親代わりと伝えた。



 この2ヶ月で、事件や犯罪に巻き込まれていないかなどを聞かれ、特になかった。と回答した。

 話の中で出てきて分かったことだが不純異性交遊は退学とのことだった。

 ひさおは、かなり汗が出たが、何とか無難に乗り切ることが出来た。



 また既に推薦入学であの目の前の有名大学に合格しており、高校のメンツも潰れるから、さきにやる気を出させてくれたことをとても感謝された。



 そのまま大学に問い合わせると、今月中に入学費用と来期の授業料150万円を支払わなければならないようだ。


 振込のタイムラグも考えるともう3営業日しかない。

ひさおは急遽有給を取り、出金し、振込手続きを完了した。その足で、役所の住民票登録や、こっそり高校を訪ね各種変更手続きなどをして夜遅く帰宅した。



さき「おかえり。遅かったね。」



ひさお「1日では大変だったけど、何とか終わった。」



さき「良かったね。ご飯作ってみた。」



ひさお「相変わらず美味しいね。」


 ひさおとさきは一緒に食べながら大学の費用納めた話など今日やったことを説明した。


 さきは進学など、もはや考えてもいなかった。高校卒業だけのつもりだった。


さきが初めて怒った「何故?大金よ。何でそんな勝手なことしたの?大学なんて、行く価値ないのに。」



ひさお「僕はさきを愛した。だから、今までのさきが背負うものも含めて一緒に支えたいから。。それにボーナス一回無くなった程度だから大したことないよ。」



さきは「えっ!」


 決して裕福な家庭では無かった。1回のボーナスでそんなにもらえることがあるの?裕福ではなかったため、大学費用を何とかしようと親は騙され。。。。



もういい。ひさおが支えてくれたから。



さき「でも。私。。。」



ひさお「僕は愛した女性を幸せにしたいだけ。」




さきは嬉しくて、とろけそうだった。「私、こんなに幸せになっていいのかな。」


ひさお「いいんじゃない?今まで考えたら足りないくらい。それに僕が幸せなんだから。」



さき「ねえ。そんなにボーナスってもらえるんだ。初めて知った。」


ひさお「この立場ならね。」


さき「ひさお。あの。。怒ってごめんなさい。私、幸せよ。ありがとう。」


さきはひさおに寄り添い。くっついて頭をもたれかけて幸せに浸るのだった。



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