表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

転生!

不思議な浮遊感と脱力感。そして真っ黒い景色に時々現れる刹那の閃光。天界にいては(つい)ぞ経験することの無かったであろう、現象はフォルスの胸に沸き立つ興奮を与えた。


これからどんな神生(じんせい)もとい人生を謳歌しようか。そんな事を考えている矢先、魂が肉体に受肉したのを感じる。揺蕩う此処はさながら海のようだ。


あと一年前後で、フォルスは人界の大地にて産声をあげることになるだろう。


──だが。


「オギャーオンギャァー!!」


何故こうなった。


「ごめんね……貴方を護にはこれしかないの」

「オギャーオンギャァー(いやちょっと、お母さん?!なんで森の茂みで意味深な発言を)」


赤子の瞳に写っているのは、フードを深く被った男女。雨に濡れた彼らは酷く憔悴しきっているようにみえた。


「アリア……追っ手が近くまで来てるぞ」

「おぎゃぁぁあ!?(追っ手!?)おぎゃんぎゃあ!!(ちょっと、え!?どゆこと?)」

「ごめんなさい。ここは登山者達が良く通るわ。だから、きっと貴方を」

「アリア!!」

「わかってるわ。じゃあね、愛しの我が子供」


カゴの中に入れると、男女は松明の方へと走っていった。


「……おぎゃ(詰んだんだが)おぎゃおぎゃ(まじ詰んだんだが)おぎゃ……(産まれて速攻森に捨てられたんだが)」


夢に見たスローライフが、デットライフになりそうな予感に身震いを禁じ得ない。──否。


「オンギャァ!!(これはおしっこだ)」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ