新装備
昨夜のツーリングの後、時間も遅かったのでとりあえず解散になった。
翌朝インカムについて俺は色々と調べている時だった。ちょうど悠からの着信があった。
「もしもし、おはよう。どうした?」
「おはよう。インカムでちょっと相談しようかと思って」
「タイミング良いね。俺も調べてた」
「それは良かった。どこのメーカーにしようかと思ってね」
「有名処だとビ○コムかセ○だよね。あとは格安のよくわかんないやつとか」
インカム選びは大事になってくる。
有名なメーカーは他のユーザーが使っているだけあって性能は折り紙付きだが比例して金額も高い。
その点、格安は金額面に関しては三分の一程度に抑えられるが性能は未知数だ。これはどんな物にも言えるのだが、初期不良の当たり外れの振れ幅が大きくなる。
通信性能に関して言えば、距離、ノイズの量に程度はあるが他社のインカムともペアリングできるように作られている。
もちろんメーカーを統一した方が通信は安定するのだが。
「先輩達は何使ってるんだっけ?」
「確か、セ○の3○Kだったと思う」
「やっぱりセ○か。合わせるようにしようか?」
「でも高いんだよなぁ」
「地元の友達は会社の人と安いやつ買ったみたいだけど普通に会話できるって言ってたよ」
実際俺の友達は格安を購入している。今の所不具合は出ていないみたいなので参考にしようかと思っている。
「どっちにしよう。金額か性能か」
「俺はセ○かな。安物買いの銭失いになったら結局って事になりそうだし」
「それはそうなんだけどね」
「とある名言があってね。悩むという事は心の中では高い方に気持ちは向いてるんだよ」
「そう言われるとどうしようもないね」
「調べてたら新しく5○Sが発売されてたんだけど、デュアルパックにすれば一人の出費は多少減らせるよ。シングルだと4万超えるけどデュアルなら一人3万5千くらいになるみたい」
これは電話がかかってくる前に調べていた事だった。これを見て俺はセ○でもいいかなと思っていた。あとは悠の説得とも。
「金額差5千は大きいね。確かに一人で構えるよりはいいかも」
「でしょ。それに使い方分かんなくても聞ける人が身近にいるのもよくない?」
「それもあるね。じゃあそうしようかな」
「流石。早速注文しとくよ」
「行動早っ」
「心変わりする前にとどめを刺しとこうかと思って」
「いやいや、流石に変わらんって。でも支払いは給料日まで待って」
「うん、それくらいはいいよ」
こうしてなし崩し的にセ○の購入を確定させた。あとは届くのを待つだけだ。