読めた…!これは全て繋がっている…!
57話です。
「母上!?」
「女神様!?」
「「えっ!?」」
フィフスの旧領主邸に響く、重なったルイとクリアの声。互いに振り返り、把握していなかったその存在を確認すると、どちらともなく顔を見合わせる。
「ふふっ…なんだ、勇者様のお母様でしたか…」
「あはは…なんだ、女神様かぁ…」
「そうですよね、やはりわたくしの幻覚──」
「そうそう、やっぱり僕の幻覚──」
「「えっ!?」」
ーーー
フィフスの宿屋、日の傾き掛けた頃。
前日同様に席に着いたプラソンとシリアスは、どちらともなく互いに顔を見合わせると、ルイの方へと視線を向ける。
「よし、じゃあ今日の作戦会議を始め──」
「──いやいやいや!何が『よし』だよ!?」
「この状態で始めるの!?あの怪しい2人についての説明は!?」
ルイの言葉を遮って、そんな声をあげるプラソンとシリアス。2人の指差した先へ振り返ったルイは、同席している2人の女性を視界に捉えると、納得したように手を合わせる。
「あー…うん、やっぱり自己紹介のほうが先だよね」
ルイに一瞥され、コクリと頷く2人の女性。
優雅に立ち上がった彼女達は、軽ぬ咳払いをすると、ゆっくりとその口を開く。
「ご紹介な預かりました、私はエルピス。ルイがお世話になっているわ」
「私はエs─エスプリ。クリアさん同様、勇者ルイの婚約者です」
美しい声が響き渡り、しんとする室内。
しばらくの間を開けて、思い出したように呼吸を再開したプラソンは、彼女ら──特にエルピスとルイを交互に見比べると、反射的に口を開けた。
「は、母親!?」
ーーー
ことの経緯を説明し終え、一先ずエルピスとエスプリ(=エスポワール)が合流したことに納得したプラソンとシリアス。
まるで親子のように彼女らとの会話に花を咲かせるユナを他所に、ルイ・クリア・プラソン・シリアスの4人は再び机を囲むと、各々の得た情報を机上にまとめていく。
「えっと…つまり、全部あの大司教が悪いと?」
「うん。元をたどればね…」
シリアスの言葉に対し、視線を反らしてそう言うルイ。同様に、腐っても身内であった事実にクリアは苦笑を浮かべる。
(まぁ、直接的な原因は母上と女神降臨の余波なんだけど…流石にソレは言えないしなぁ…)
ルイは内心そう呟いて、額の汗を地面に落とす。最も、当の本人達が意図して起こした訳では無いため、責めることもできないのだが。
どちらともなく溜息をして、隠した事実に頭を抱えるルイとクリア。そんな2人の内心など露知らず、改めて情報を見返したプラソンとシリアスは、捻っていた頭を無理矢理納得させると、それぞれウンウンと頷く。
「──にしても、領主がまともに仕事をしてなかった理由がこうなるとはね…」
「教会上層部は腐敗していたが、魔物を招き入れるなんて俺も思いつかなかったわ」
失踪、沈静、教会──それらの問題に対して全て大司教が悪い、と。ルイ達はそう考えを一致させると、依頼報告の書類作成に勤しむのだった。
フリーメモ氏「つまり大司教が悪い」☜
・失踪→女神降臨時の浄化により帰化した魔物が消滅した
・沈静→女神の浄化とエルピスの大量粛清により周囲の魔物が消されるor下手に動けなくなった
・教会→大司教の置き土産である神降ろしにより女神降臨が行われたため、浄化の光が周囲に漏れ出した
※そもそも大司教が領主級を傀儡にしていなければ上位魔物の汚職もバレず、エルピスの襲撃を受けることすらなかった




