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これで転職…という訳にはいかなかった。

息抜きに書きます

「はぁ…はぁ…どう?巻いたかな⁇」


 ルイ達は岩場に隠れると、そっと周囲を見渡しながらそう言った。


「今は大丈夫そうですよ、ご主人様」

「そっか、よかった」


 2人は安堵の息を吐くと、治癒魔法を使ってお互いの傷を塞ぎあった。


「…いくら人間の真似をするためとはいえ…手加減して逃げるのも結構大変だなぁ…痛いし」

「まぁご主人様が普通に戦ったらあの程度の魔物は一瞬で消滅しちゃいますしね。それで脱走したことがバレたら元も子もないですからね」

「だな。元々壊れかけてる装備だったとはいえこれもう裸と変わんねぇよ」

「それは…ご主人様がわたくしを庇いながr…」

「いや、あれはただ僕がユナを傷つけたくなかっただけだよ。うん」

「ご主人様…」


 ユナが顔を赤らめると、緊張の糸が切れたのかルイの膝に頭を乗せて眠ってしまった。

 ルイがユナのそんな姿を見て一瞬気を抜きかけると、不意にガサゴソと物音がこちらに向かってきた。


「やばい…追っ手かな?結構森の外れまで来たと思うんだけど…」


 ルイは警戒しながら顔を出すと、やってきた『気配』はこちらに気付いたのか、駆け足でやってきた。


「おーい!大丈夫か君?」

「なんだ…人間の冒険者か…」


 ルイはボソッと呟くとその冒険者に向かって手を振った。



ーーー



「…ん?ここは…」

「ユナ。おはよう」


 ユナが目を覚ますと、こちらを覗き込んでいたのかルイとバッチリ目が合った。


「ご、ご主人様⁉︎ち、近っ…」


 ユナが最後まで言い終える前に、ルイは咄嗟に人差し指でその唇を押さえた。


「ちょっとごめんユナ。よく聞いてくれ」


 ルイの真剣な瞳にユナは赤面すると、コクコクと頷いた。


「今、僕達は始まりの街ビギンにいるんだ。それで、僕らを案内してくれた冒険者に宿まで貸して貰ってるんだけど…」

「…⁇」


 言い淀んでいるルイを前に、ユナは頭にクエスチョンマークを浮かべていると、ルイは何か決心したのか口を開いた。


「ユナと僕がどんな関係かって聞かれて…つい、こ、恋人って言っちゃったんだ。ごめん‼︎」

「え?えっ⁇」


 ユナは再び赤面すると、パニック状態の頭を必死に働かせてその冷静さを取り戻した。


「な、なんで謝るんですかご主人様。わたくし、別に迷惑だなんて思ってませんよ。それよりも…その、むしろ嬉しいです」

「え、ほんと?嘘とはいえ恋人とかユナの気持ちも考えないようなことを言っちゃったと思うんだけど…」

「妹と呼ばれるよりはマシですよ」


 嬉しそうに笑うユナを前に、ルイは安堵すると、再び口を開いた。


「ユナが嫌がってなくてよかった…あ、それともう一つユナに頼みたいことがあるんだけど…」

「なんでしょうかご主人様⁇」

「あー…その、ご主人様って呼び方を変えてくれると嬉しいかな。なんか特殊な関係だと思われるのもアレだし…それに…」

「…それに⁇」

「もう僕とユナは主人とメイドって関係ではないしね。あ、好きなように呼んでくれて構わないから」


 ルイはポリポリと頭をかきながらそう言うと、恥ずかしそうに目を逸らした。

 ユナはしばらく考えるような仕草をすると、満遍の笑みで口を開いた。


「では、これからもよろしくお願いしますね。『ダーリン』‼︎」

思ったより甘くなってしまった…


次からようやく本題かな?

また気が向いたら更新します。

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