聞け!我々は神聖騎士団だ!神の代わりに貴様r──
44話です。
今回も短めです。
(異端者、かぁ…力も貰ったし神様自体は信じてるけど、魔物である僕とユナは外から見たら確かにそう映るんだろうなー)
自身を囲う純白の騎士達を前にして危機感もなくそんなことを考えるルイ。
便宜上の臨戦態勢を取りながら、ちらりと視線を動かした彼は、同様に聖剣を握るユナと目配せをすると、いかにも不服とばかりに騎士の1人を睨みつける。
「御言葉だけど、僕らは女神様から力を授かったうえでここにいるんだ。どうして君達に断罪?をされなきゃならないんだい?」
ただ淡々と、挑発するようにそう言って、騎士達を見渡すルイ。
ざわざわと動揺する騎士達を他所に、ルイの言葉でハッと我に返ったのか、背後にいたプラソンとシリアスも背中を合わせて武器のグリップを握りしめる。
「女神様が力をだと?フッ…出任せに決まっておろう」
「──は?」
「ちょっと、出任せを言ってるのは貴方達でしょ!」
不意にガチャガチャと音を立てながら、ふんぞり返って現れた無駄に豪華な鎧の男。
一瞬にして静まった騎士達とは対象的に、プラソンとシリアスが思わず声をあげると、取り付く島もなく男は鼻で笑いとばした。
「神託が下ったのだ。神は貴様らのようなホラ吹きの異端者を断罪せよ、とな。騙されるなお前達ッ!我等は神聖騎士団、神に代わり刑を執行する者──ッ!」
『ウォォォォォォッッッ!!』
男の声に続けて、騎士達の野太い声が街中に轟く。
「チッ──」
「どの口が──」
「旦那様…」
「あぁ、どうやら戦闘は避けられないみたいだね」
槍を構えた騎士達を前に、口々に呟く4人。
街中であるというのにも関わらず、騎士達がその足を前に出したその瞬間、ルイは握ったアボミナブルを鞘から引き抜いた。
ーーー
「なに?神聖騎士団がやられただと?」
「は、はい…」
フォースの大聖堂にて、偉そうにふんぞり返ったハゲは、部下のそんな報告を耳に、持った杖で地面をゴンゴンと叩く。
「クソッ!使えない奴らめ…たった4人相手に醜態を晒しおって…」
「ひっ…」
ハゲの形相を目にした部下が一瞬悲鳴をあげる。
忌々しそうに、当てつけとばかりに部下の太腿に杖を突き刺したハゲは、再び無駄に豪華な椅子に腰掛けると、痛みに悶える部下を見下ろす。
「まあいい…いくら勇者といえどこれで奴等は人殺し。確実にこの街にはいられないだろう…フッ、ファハハハッッッ!これで吾輩の計画も──」
「──ッお、御言葉ですが大司教、様ッ…彼ら、神聖騎士団の死傷者はゼロでござ、います…」
「死傷者ゼロぉ…!?!?─ふ、ざ、ケルなァァァッ!」
半狂乱になりながら、引き抜いた杖何度も振り回すハゲ。
部下の言葉も虚しく、白い床は点々とした赤い模様が追加されたのだった。
ーーー
『誠に、申し訳ございませんでした!!』
フォースの大聖堂から離れた家の1室にて、盛大に響いた純白の騎士達の声。
目の前で集団土下座をしている光景を他所に、ルイ達4人は簀巻きにされた無駄に豪華な鎧を着ていた男を一瞥すると、椅子に座ってため息を吐く。
「…そういえば、名前を聞いてなかったね。君は一体?」
差し出されたお茶で一息ついて、思い出したようにそう口にするルイ。
ユナ、プラソン、シリアスの3人はそんなルイの言葉にピクリと身体を震わすと、さも当然のようにカップを差し出す1人の女に視線を向ける。
「これは大変申し訳ございません、勇者様。わたくしはクリア、聖女と呼ばれている者にございます」
「聖女!?」
「まさか実在したなんて…」
飛び出たその言葉に、思わずそんな声を漏らすプラソンとシリアス。
クリアと名乗った女は、身に纏った純白の修道服を靡かせるようにルイの前へ出ると、威嚇するユナを他所に手の甲へと口づけをした。
クリア⇨(心が)清い
剣を抜いたあと何があったかは次回出ます




