4つ目の街って…
43話です。
短めです。
明るい雰囲気と共に、賑やかに響き渡る街行く人達の声。
4つ目の街、フォースへ到着したルイ達は、キャンバスのようなその白い街並みを前に思わず息を呑む。
「それでは勇者様方、私はこの辺でお暇させていただきます。この度は護衛してくださりありがとうございました。是非御武運を」
フォースの街前に着くや否や、帽子を脱いで会釈をする御者の男。
馬車から降りたルイ達は、立ち去る彼らを見送ると、街の門へとその足を運ぶ。
「旦那様、これはやはり…」
「うん、神殿や教会と同じ対魔結界だね。通りで人間が生活を営めるわけだ」
民に境界線を示すものなのであろう、結界沿いに囲われた背の低い柵を見ながら、そう言って歩くルイとユナ。
2人から数歩遅れて付いていたプラソンとシリアスは、そんな会話で興味を持ったのか、物珍しそうに立ち止まる。
「プラソン、シリアスさん?どうしたの…?」
「え?あ、あぁ…いや、こうやって目に見えない結界が張られてるって言われてもわからないなーって思ってな…」
「それに、神殿とかならともかく、ここはけっこう大きい街でしょう?それを取り囲む程の結界ってビギンでは聞いたことも無かったから…」
ルイの声にそう答え、慌てたように駆け出すプラソンとシリアス。
そんな2人を横目に、ルイとユナはどちらともなく笑みを零すと、2人から逃げるように門方面への足を早めた。
ーーー
「なに?勇者達がここに入られただと!?」
フォースの中心部にある大聖堂にて。偉そうにふんぞり返った男は、部下のそんな報告を耳に、毛根の死んだ頭を掻きむしる。
「バカな…あれだけ気付かれぬよう情報統制をしていたというのに…まさか、このタイミングを見計らってやっきてきたとでもいうのか!?」
「だ、大司教様…?」
「クソッ、忌々しい勇者め…吾輩の計画の邪魔をしおって」
「あの、大司k──」
「えぇい黙れ!」
怒鳴り声と共に、白い床が赤く染まる。
転がってきた頭を踏み付けたハゲは、忌々しそうに杖を握りしめると、ステンドグラス張りの広い空間でひとり、雄叫びを上げた。
ーーー
「これがフォースの街か…」
「結界の外から見たときも感じましたが、何もかもが真っ白ですね…」
いつものように結界内に侵入し、大通りを歩きながらそんな声を漏らすルイとユナ。
彼らの視界に映ったフォースの街並みは、建物は愚か、道やすれ違う人の服装さえも、漂白されたように白い。
「プラソン、あれ…」
「うぉっ…あれがあの噂の──」
「「フォースの大聖堂だな(だね)!」」
白い街で異彩を放つ、中央にそびえ立つ城のような巨大な、色とりどりに装飾された無駄に豪華なソレを目に、プラソンとシリアスは興奮したように声を重ねる。
「大聖堂?」
「ということはあそこが教会の本部ですか」
2人の声に反応して、大聖堂へと視線を向けるルイとユナ。
「しっかしなぁ…俺達が納めた教会への寄付金はこんなしょうもないことに使われてるのか…?」
「ちょ、プラソン!?」
「プ、プラソン様!?そういうのは口に出さないほうが──」
プラソンの独り言に対して、慌てて口を出そうとする女性陣。
ユナが言い終えるより早く、不意にルイは左腕を広げると、アボミナブルのグリップに右手を添える。
「──旦那様?」
「はは…まさかとは思ってたけどね。ユナ、プラソン、シリアスさん…どうやら僕らは歓迎されて無いみたいだ」
えっ?と疑問符を浮かべるプラソン・シリアスとは対象に、聖剣に手を掛けるユナ。
「止まれ異端者共!我らが女神の名の下に貴様らを断罪させてもらう!」
兜越しからでも大きく響く、くぐもった低い声。
いつの間に接近していたのだろうか。2人が状況を理解し始めた時には既に、ルイ達4人は純白の鎧を纏った騎士達によって包囲されていたのだった。
残る人の街はフォースを含めてあと2つ…




