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部下が行方不明です!

 38話です。

 2ヶ月以上(3ヶ月近く)空けてしまい、申し訳ございませんでした。

「ルイ!?」

「ユナ!?」


 颯爽と駆け付けた2人を前に、反射的に名前を叫ぶプラソンとシリアス。まるで2人の生還を祝福するように、頭の中にレベルアップのファンファーレが鳴り響く。


「旦那様」

「2人共…とにかく無事でよかった…」


 叫び声を聞くなり、顔を合わせて頷くルイとユナ。

 2人はアボミナブルと聖剣をそれぞれ鞘に収めると、思い出したようにドロップアイテムの散乱する背後へと視線を向ける。


(このアイテムを見た感じ、やっぱりあの自己中な幹部(キチガイ野郎)の部下だった魔物のものだよなぁ…徘徊してたって言ってたけど、性質的に僕の魔力が籠もったプラソンの剣に反応したのかも…)


「旦那様、やはり…」

「うん…大方予想通りっぽいね…」


 短く言葉を交わして、大きくため息を吐く2人。

 そんな彼等を横目に、2人が来た安堵により気が緩んだプラソンとシリアスは、疲労によりつなぎ繋ぎだったその意識をそっと手放した。



ーーー



「何?行方不明だと?」

「はい…」


 サードの街から少し離れた森の屋敷にて、部下の報告に声を漏らす人型の魔物の男。

 身なりの良い服を身に纏った彼は、ドカッと近くの椅子に腰を落とすと、腕を組みながら部下を睨み付ける。


「おい貴様…そんなことを言ってここから逃げようなんて考えてないよなァ?」

「め、滅相もございません!我らが次期に魔王様の父となり実権を握る貴方様に嘘を付くはずもございません!」

「フン…なら良いのだ」


 部下の言葉に機嫌を良くし、当たり前だと言うようにふんぞり返る男。

 しんとした空気が流れる中、不意に廊下からドタドタと音が響くと、壊れるような勢いで部屋の扉が開け放たれた。


「お父様!ルイ様が!ルイ様が近くにいらっしゃいますわ!こうしてはおられません!わたくし、今すぐ会いに行ってきますわ!」

「あ、おい待っ───」


 いきなり部屋に入ってきた何処か幼い魔物の女。

 彼女は一方的にそう宣言をすると、周囲の書類を撒き散らしながら嵐のように去っていった。



ーーー



『流石に勇者様御一行!まさか原因の調査だけでなくあの強力な魔物達を一掃してくださるとは…!』

『これでスタンピードの恐れもなく安心して生活に戻れるというわけです。本当に…ありがとうございました!』


 気絶していたプラソンとシリアスが目を覚ますなり、壁越しに飛び交う歓喜の声。

 見知らぬ天井の下、2人は寝かされていたベッドから上体を起こすと、どちらともなく目を合わせる。


「なぁ…」

「ねぇ…」


 重なる声と微かな沈黙。


「プラソンから先に言って」

「シリアスから先に言えよ」


 再び重なる声。

 視線を外した2人は、幾度目(・・・)となるこのやり取りを前に、落ち着かせるように息を整える。


「プラソン」

「あぁ…わかってるよ、俺から言えばいいんだろ?」

「うん」

「…ま、多分同じ事考えてると思うけどさ。…これ、もしかして祝賀会がなにかやってんのか?」

「多分そうね。…それにここ、ギルドの救護室でしょう?きっとルイととユナがあそこで魔物を倒したあと、気絶した私達をここまで運んで来てくれたのよ」


 腑に落ちたような表情で、そんな言葉を交えたプラソンとシリアス。

 流石は勇者だ、と暗に確認した2人は、そっとベッドから降りると、互いの顔をそっと見合わせた。

※本人達は気付いていないが、準幹部クラスの魔物を数体倒せる程度には強くなっているプラソンとシリアスである。

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