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プラソン、死す!(大嘘)

 おまたせしました、37話です。

「──ッ…シャッ…ハッ…!」

「《火球ファイアボール》っ!《火球ファイアボール》っ!《火球ファイアボール》──ッ!」


 息を切らしながら、ただひたすらに剣を振り抜くプラソンと、その攻撃に追い討ちをかけるよう、後方から無我夢中で火球ファイアボールを連発するシリアス。

 一向に減らない魔物共を前に、レベルアップのファンファーレを気にする余裕すらなくなると、遂に体力と魔力が尽きたのか、ほぼ同じタイミングでその膝が地面についた。


「まずい…魔力が…」

「クソッ…ここで限界なんて…ッ」


 魔物共が迫る中、2人して悔しげに声を漏らす。

 遂に追い付いた先頭の魔物は、立膝をついたプラソンを前にギャーギャーと騒ぐと、手に持った棍棒を振り下ろす。



「ッ!プラソン!危な─────えっ?」



 シリアスが叫ぼうとした瞬間、不意に2人の上空をすり抜けた2つの斬撃。直線上にのびた真空のそれらは、一瞬にして全ての魔物の首を狩ると、周囲の木々をなぎ倒しながら消えていく。


「プラソン!シリアスさん!2人共大丈夫!?」


 信じられないような目の前の光景を他所に、背後から聞こえてきたそんな声。

 硬直状態から回復した2人がゆっくりと視線を音源に向けると、そこにはそれぞれアボミナブルと聖剣を片手に走ってくるルイとユナの姿があった。



ーーー



「勇者様のお仲間ですか?えーっと…たしか、先程このクエストを受けて北の森へ向かったはずですよ」


 時は少し遡り、プラソンとシリアスが魔物共から逃げはじめた頃。

 当初の予定通り、ギルドへと戻ってきたルイとユナは、ギルドの受付嬢に2人の動向を聞いていた。


「『魔物の調査』クエスト…?調査が必要ってことはなにかあったんですか?」


 受付嬢に見せられた紙を見ながら、ルイはそんな声を漏らす。


「はい。2ヶ月ほど前から、北の森に強力な魔物の群れが徘徊しているとの報告が多数ありまして…場合によっては最悪、スタンピードが起きる恐れもあるので、勇者様のお仲間である御二方にクエストとして調査をお願いしたのです」


 いくつかの書類を提示しながら、神妙な顔でそう言う受付嬢。

 しばらく書類に目を通したユナは、不意にルイの肩を叩くと、受付嬢に聞こえぬように耳打ちをした。


「旦那様。この街の北にある森といえば、旦那様が娘の縁談を断った幹部の屋敷があった場所ですよ」

「えっ?」


 ハテナを浮かべる受付嬢を他所に、驚いたような間抜けな声を上げたルイ。

 慌てて一歩下がった彼は、抱き寄せるようにユナの背中へ手を回すと、顔を近づけ小声で彼女に聞き返す。


「ねぇ、間違ってたら恥ずかしいんだけど。…それってもしかして僕が原因だったりするってこと?」

「えぇ…時期的にも、その可能性は高いと思います」

「嘘でしょ…じゃあ、この報告にある強力な魔物の群れってもしかして…」

「準幹部クラスの魔物かと」


(なんで人里近くまで準幹部クラスが流れてるんだよ!縁談に来たあの女はともかく、その父親であるあの自己中な幹部(キチガイ野郎)はなにを考えてるんだ!?)


 ユナのそんな憶測を前に、頭を抱えるルイ。

 いかにも厄介そうな空気感か漂う中、2人が息を吐いていると、不意にレベルアップのファンファーレが頭の中に鳴り響いた。


「旦那様、今のって…」

「まずい、既に戦闘をはじまってるみたいだ!僕らも急ごう!」


 パーティを組んだままの影響により、配分された経験値でレベルアップした2人。

 状況を理解できていない受付嬢に対し、「情報ありがとう」と金貨を投げたルイは、流れる動作でユナの手をつなぐと、そのままギルドを飛び出した。








 この世界において、同じパーティ所属している仲間が魔物を倒した場合、死亡さえしていなければ、たとえどんなに遠くにいようとも、どんな状態異常にかかっていようとも、意識がなくなっていようとも、必ず同じ分だけ経験値が配分される。

 離れていてもレベルアップできるが、魔物一匹の経験値は等分される為、パーティ人数が多いとレベルは上がりにくい。(4~5人が理想と言われている)

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