これって、死亡フラグじゃね…?
28話です
作戦会議の翌日。
当初の予定通り、砦へ向かって歩いていたルイ達一行。
4人が封鎖された区域に足を踏み入れた瞬間、突如現れた大量の魔物達は、彼らを囲むようにわらわらと集まってきた。
「なぁルイ…?」
「んー?どうかしたの、プラソン?」
「あ、いや…ちょっと多すぎじゃないかなーって思って…」
その数に怯えているせいか、弱々しく剣を構えるプラソンと、隣で同調するように、コクコクと頷くシリアス。
ルイとユナは、そんな2人を気に留めた様子もなく、それぞれアボミナブルと聖剣を振るうと、襲ってきた魔物を次々と斬り倒していた。
「これは…想定以上に疲れるな…」
「そう、ですね…旦那様」
不意にポロッと漏らした、2人のそんな声。
(ここの魔物達、弱すぎる…これじゃあ、油断した瞬間に町ごと吹き飛ばしてしまいそうだ…)
(これが旦那様のやっていた、力を抑えるということ…確かに、常に気を張ってないと、余波でこの2人を殺しかねないですね…)
人間を装っている関係上、細心の注意を払いながら手加減をする2人。
汗を書きながら奮闘する(ように見える)2人の姿を目に、突っ立っていただけのプラソンは、何を思ったのか、シリアスへと視線を向けた。
「シリアス…」
「うん…」
「俺達も、2人ばっかに頼るわけにはいかないよな…!」
「そう、だよね…ッ!」
短く言葉をかわし、気合を入れたように視線を戻したプラソンとシリアス。
2人は、不意にルイとユナの前に躍り出ると、標的を2人に変えた魔物達をそれぞれの剣と魔法で薙ぎ払った。
「2人共、ここは俺達にまかせて先に行け!」
「ここは私とプラソンで何とかするから、2人は早く砦へ…!」
先程までとは打って変わり、頼もしくそう叫ぶプラソンとシリアス。
顔を合わせたルイとユナは、無言のまま静かに頷くと、2人の間を抜けるようにして砦へ向かってく駆け出した。
「それじゃあ、僕らは先に…!」
「御二方も、おきをつけて…!」
任された、というプラソンの台詞を背に、できるだけ人間の走る速さに合わせながら、砦へ向かう2人。
残されたプラソンとシリアスは、お互いの背中を合わせると、汗を垂れ流しながら群がる魔物達と対峙した。
「プラソン」
「あぁ、いくぞ…!」
あの台詞は完全に死亡フラグ…でしょ?




