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28/64

これって、死亡フラグじゃね…?

28話です

 作戦会議の翌日。

 当初の予定通り、砦へ向かって歩いていたルイ達一行。

 4人が封鎖された区域に足を踏み入れた瞬間、突如現れた大量の魔物達は、彼らを囲むようにわらわらと集まってきた。


「なぁルイ…?」

「んー?どうかしたの、プラソン?」

「あ、いや…ちょっと多すぎじゃないかなーって思って…」


 その数に怯えているせいか、弱々しく剣を構えるプラソンと、隣で同調するように、コクコクと頷くシリアス。

 ルイとユナは、そんな2人を気に留めた様子もなく、それぞれアボミナブルと聖剣を振るうと、襲ってきた魔物を次々と斬り倒していた。


「これは…想定以上に疲れるな…」

「そう、ですね…旦那様」


 不意にポロッと漏らした、2人のそんな声。

 

(ここの魔物達、弱すぎる…これじゃあ、油断した瞬間に町ごと吹き飛ばしてしまいそうだ…)

(これが旦那様のやっていた、力を抑えるということ…確かに、常に気を張ってないと、余波でこの2人を殺しかねないですね…)


 人間を装っている関係上、細心の注意を払いながら手加減をする2人。

 汗を書きながら奮闘する(ように見える)2人の姿を目に、突っ立っていただけのプラソンは、何を思ったのか、シリアスへと視線を向けた。


「シリアス…」

「うん…」

「俺達も、2人ばっかに頼るわけにはいかないよな…!」

「そう、だよね…ッ!」


 短く言葉をかわし、気合を入れたように視線を戻したプラソンとシリアス。

 2人は、不意にルイとユナの前に躍り出ると、標的を2人に変えた魔物達をそれぞれの剣と魔法で薙ぎ払った。


「2人共、ここは俺達にまかせて先に行け!」

「ここは私とプラソン(このバカ)で何とかするから、2人は早く砦へ…!」


 先程までとは打って変わり、頼もしくそう叫ぶプラソンとシリアス。

 顔を合わせたルイとユナは、無言のまま静かに頷くと、2人の間を抜けるようにして砦へ向かってく駆け出した。


「それじゃあ、僕らは先に…!」

「御二方も、おきをつけて…!」


 任された、というプラソンの台詞を背に、できるだけ人間の走る速さに合わせながら、砦へ向かう2人。

 残されたプラソンとシリアスは、お互いの背中を合わせると、汗を垂れ流しながら群がる魔物達と対峙した。


「プラソン」

「あぁ、いくぞ…!」

 あの台詞は完全に死亡フラグ…でしょ?


 

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