まぁ、仕方ないね…
26話です。
大学の課題多くて時間が思ったより取れてない…
「なぁルイ」
「ん?」
「俺の顔、凹んでない…?大丈夫…?」
プラソンとシリアスが部屋を出てから早数時間。
ルイとユナが翌日の計画を立てていると、どうやらこってりと叱られたのか、プラソンが部屋に入るなりそう問いかけた。
「大丈夫だよ、それくらい。ちゃんと出てるところは出てるし、凹んでるところはしっかり凹んでるよ」
「…ん?…んん??…それってつまり、大丈夫ってことでいいんだよな…?」
「そうだよ」
ルイの妙な言い回しに、疑問を持ちながらも納得したように胸をなでおろすプラソン。
机を挟んでルイと向かい合うように座っていたユナは、そんなプラソンが席につこうとすると、まるでそれから逃げるようにルイの横へと移動した。
「…」
「…」
プラソンが顔を合わせようとしてもそっと視線を逸らすユナ。
しばらくの間、なんとも言えない無言の時間が流れると、その沈黙を破るようにプラソンが口を開いた。
「…なぁルイ」
「…ん?」
「…本当にこれ、大丈夫なんだよな…?」
「そうだよ」
「…変な顔になってたりとか、そんなことはないんだよな…?」
「生きていく上ではそれくらい問題ないと思うよ」
「ん…?」
何処か他人事のルイの返しに、再び疑問符を浮かべるプラソン。
ルイは、ユナと同様にプラソンからその視線をそっと逸らすと、淡々とした口調で言葉を続けた。
「別に、何処か欠損したわけでもないし、ちゃんと目も鼻も口もあるから…僕的には、それ以外の原型がとどめてなくても全然大丈夫だと思うよ」
「原型…?一体、何の話をして──」
意味深なルイの台詞に、プラソンが疑問を返そうとしたその瞬間、不意に勢いよく部屋の扉が開かれた。
「プラソン…?まだ話は終わってないんだけど…?」
「し、シリアス…あの、これはだな…」
「何?人の話を最後まで聞かないことに理由なんてあるわけ?」
「いや、そんなことは…」
怖いほどに満面の笑みを浮かべるシリアスを前に、萎縮するプラソン。
しばらくの無言の後、シリアスは不意にその表情を崩すと、呆れたように溜息を吐いた。
「…回復魔法をかける前に飛び出すとか、一体何を考えてるのよ」
「…ぇ?回復魔法…?」
「…いい加減、その顔がどうなってるのか自分で気付けないわけ?…さっきも廊下で会った宿の仲居さん、その顔見て失神してたよ」
「失神…?一体何が──」
プラソンがそこまで言いかけた瞬間に、そっと手鏡を前に差し出すシリアス。
鏡が反射したそこには、もはや原型をとどめていない化物が映り込んでいた。
「な、なんしゃこりゃぁぁァァァッ!」
悪いことしたらちゃんと罰を与えないとね。




