お仕置きしなきゃね
遅くなってすみません。25話です…
「ユナッ!」
「だ、旦那様!?いきなりなんd…」
「ユナ!大丈夫!?なにか変なことされたりしてない!?」
「えっ…?え…?」
宿を飛び出た瞬間、タイミングよく丁度帰ってきたユナにいきなり抱き着いてきたルイ。
ユナは唐突なルイのその行動に赤面すると、嬉しいような、何処か困惑した様子でそんな声を漏らした。
「あの、旦那様…?私を抱きしめてくれるのは嬉しいんですけど…その、何か、あったんですか…?」
「あ、いや、僕は何も無かったんだけど…その、ユナに何かあったんじゃないかと思って…」
混乱するユナを抱きしめながら、呟くようにそう言うルイ。
そんなルイを目尻に、ユナはそっと口元を緩めると、その腕で抱きしめ返した。
「大丈夫ですよ、旦那様。…何があったのかはわかりませんが、私はここにいますよ」
「ユナぁ…」
周りの視線を他所に、しばらくの間宿の前で抱き合うルイとユナ。
2人が自分達の空間に入っている中、不意に宿の扉が勢いよく開かれると、中からシリアスが飛び出してきた。
「ルイ!ユナは──…って!2人共何やってんの!?」
『あっ…』
ーーー
「───それで、公衆の面前で抱き合ってた訳ね…」
状況を整理するような口調で言うシリアスの言葉に、顔を赤らめながら頷くルイとユナ。
シリアスは、一瞬呆れたような表情を見せると、海苔巻きのように布団に縛られているプラソンに軽蔑するような視線を送った。
「プラソン…?」
「は、はひ!?」
ドスの利いたシリアスの声に、怯えるような声を出すプラソン。
シリアスは、ニッコリと満面の笑みを浮かべると、無言のままゆっくりとプラソンの方へと歩み始めた。
「…あ、あの…シリアスさん?…ちょっとその笑顔怖いんだけど…?」
「…」
「一旦落ち着こう、な?…いや、あの…」
脂汗を浮かべながら、震える声で命乞いのようにそう言うプラソン。
シリアスはそんなプラソンを巻いた布団を掴み上げると、引きずるようにしながらルイとユナへと視線を向けた。
「2人共、プラソンのせいで色々ごめんね」
まるで自分の事のように頭を下げるシリアス。
そんな姿を前に、2人はお互いの顔を見合わせると、気にしていない様子で首を降った。
「あ、いえ…私は別に…」
「ユナに何も無かったんで僕も別にいいんですけど…」
「そう…?」
2人の反応に不思議そうにそう言ったシリアスは、2人と懇願するようなプラソンを交互に一瞥した。
「2人がそれで納得してるなら別にいいんだけどね…」
「じゃあ…!」
「でも」
「えっ…」
「2人を心配させたのは事実だし、これからもし何かあってからじゃ遅いからね。プラソン?貴方にはちゃんと罰を与えないとね…?」
「えっ…あっ…ぁ…」
それじゃあごゆっくり、という言葉を残しながら、プラソンを引きずって部屋を出たシリアス。
壁越しにプラソンの悲鳴が聞こえる中、ルイとユナはぽかんとした表情で再び目を見合わせた。
3ヶ月も空いたせいで文体が思い出せなかった…
また遅くなるかも、です…




