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メイドと駆け落ち…?

「ったく…あのクソ親父め…」


 メイド達によって部屋に連行されたルイはベッドに仰向けになると、乱暴に呟いた。


「あ…あの…ご主人様。ち、昼食をお持ちしました」


 ルイの様子を伺うように、ボロボロのメイド服を身に纏った小柄な少女が食事の乗ったカートを押して部屋に入ってきた。


「あ、ああ。ありがとうユナ」

「い、いえ…」


 ルイはベッドから這い出ると、ユナから渡された食事に手をつけた。


「ユナ。どうしたんだその服?またドジったのか?」


 ユナはルイの優しい声に首を振ると、小さく口を開いた。


「何もない…です」

「…はぁ…」


 ルイは食事の手を止めると、そっとユナを抱き寄せた。


「また同期にやられたのか…ったく…黙ってないでなんか言ってくれればよかったのに…」

「い、いえ!とんでもありません!わたくしごときがご主人様の手を煩わせるなんて…」

「気にすんな。お前は数少ない僕の理解者なんだ。それくらいさせてくれ」

「…!はい!」

 


ーーー



 ルイは昼食を食べ終わると、片付けをしているユナを見て不意に口を開いた。


「ユナ。僕さ…ここを出ようと思うんだよ」

「え…」


 ガシャン!という音を立て、ユナの持っていた食器は地面に叩きつけられた。


「あ!すみませんご主人様!今片付けます!」

「あ、いや…僕も手伝うよ。僕が出ようなんて言ったせいだよね…」


 ルイは食器を拾い上げると、部屋の鍵をガチャリと閉めた。


「あの…ご主人様?これは一体…」


 困惑しているユナにルイは目を合わせるとゆっくり口を開いた。


「ユナ。僕と一緒にここを出よう!それで、あの親父とメイド達にギャフンと言わせてやるんだ!」


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