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我が初期装備だと…⁉︎

 19話です〜


 ようやくルイにも初期装備が…‼︎

 我が名はアームド・コントロール。かつて魔王としてこの世界を支配していた存在である。

 もう何千年前だろうか…あの忌まわしき勇者に敗れ、『魔剣』へと姿を変えて封印されていたのだ。

 そして今、何者かによってその封印が剥がされ、我は再びこの世界へと解h──


「うーん…本当にコレ魔剣なのか?」

わたくしにはコレも旦那様の持つソレもそんな大層なものに見えませんけど…」

「やっぱりガラクタとして処分するか…」

「だからガラクタじゃないって⁉︎」


 な、なんだこの無礼者はッ!?

 我を引き抜いたと思えば…この我をガラクタ扱いだと⁉︎しかもあの小娘が持つ剣は我を封印したあの忌まわしき勇者の聖剣ではないか⁉︎

 一体何がどうなっているのだ⁉︎



ーーー



「──そしてその2本は今まで、誰にも抜かれないようにこの神殿に安置され、数千年の月日が流れて今に至る、という訳だ。ま、結局のところその剣を抜こうとする不届き者がここ数年頻発していたんだが、誰一人抜けなかったからな…そんな簡単に抜ける訳では無──」

「ん?」

「な、ななな…なんで魔剣を持ってるんだルイ⁉︎そ、そそそそれはき、危険なものなんだぞ⁉︎俺の話聞いてたのか⁉︎」

「プラソンうるさい‼︎」

「ごめんなさいッ!」


 熱弁を止め、慌てふためくプラソンにシリアスは一括そう言うと、プラソンは流れるような動作で土下座をした。


「…⁇なんだコレ?なんか妙にカタカタ動くんだけど…」

「や、やっぱり魔王が姿を変えただけって話は本当だったんだ…ッ!」

「私達、もしかしてこれまでなの⁉︎私、まだ告白すらしてないのに⁉︎」


 不意にカタカタと震え始めた魔剣に対し不思議そうにそう言うルイ。

 プラソンとシリアスはそんなルイを見てガタガタと震え出すと、お互いに抱き合いながら恐怖のあまりその気を失った。


「プラソン⁉︎シリアスさん⁉︎…ってあれ?気を失ってる…」


 ルイが白目を剥いて気絶している2人が無事なことにホッと一安心すると、不意に聖剣を置いたユナが肩を叩いてきた。


「…あの、旦那様」

「ん?どうしたのユナ?」

「…そのガラクタ、微かですが魔力を感じます。それもわたくし達に近い、幹部よりは強いくらいの」

「うーん…このくらいの魔力ならそこら辺の木の枝と変わらないと思ってたんだけど…やっぱりまずいかな?」

「…この2人にもわかるくらいなのでなんとかした方がいいですね…」


 ユナのその言葉に、ルイはしばらく考え込むと、不意に何か思いついたように空いている左手の指をパチンと鳴らした。



ーーー



 な、なんだコイツは…⁉︎

 この我が全力で元の姿に戻ろうとしてもピクとも反応しないだと⁉︎

 まさか身体を振動させる程度が限界だとは…ッ!


「よし、試しにコレに僕の魔力を流し込んでみようと思う。プラソン達も僕魔力は測れてないみたいだし、これで魔力が同調できれば同じ原理で隠せそうだしね」

「…‼︎さすが旦那様、その手がありましたか!」

「これが成功すればこのガラクタも初期装備くらいにはなりそうだしね。やってみるよ」


 何…⁉︎この我が初期装備だと⁉︎

 この小僧め…我を一体なんだと…⁉︎


 …⁇なんだこの流れ込む大量の魔力は…?

 な、何故だ⁉︎このとてつもない魔力、我の身体を侵食しているとでもいうのか⁉︎

 馬鹿なッ!この世界の環境すら自由自在に操れた我がッ!この程度で我が消される訳が──



ーーー



「お、振動が止まったし上手くいったみたいだな」

わたくしから見てももはやそのガラクタに魔力が込められてるなんて分かりませんから、きっと旦那様の魔力と同調できたということですね」


 ユナの言葉を聞いたルイは動かなくなった剣を見回すと、どこか満足げに口を開いた。


「よし、今からコレは僕の初期装備だ‼︎えっと…名前はどうしよっかな…」

「《魔王剣アボミナブル》なんてどうでしょうか?プラソン様曰く、太古の魔王らしいので」

「おお…なんかカッコいい名前だな‼︎さすがユナ!よし、今からコイツは《魔王剣アボミナブル》だ!これからよろしくな‼︎」


 ルイは嬉しそうに魔剣にそう名付けると、高らかにそれを掲げてみせた。


 魔王アームド・コントロール──太古の魔王。数千年前は世界を全て意のままにしていたらしい。多分もう登場しない。名前の意味は武力支配。


 アボミナブル──英語で忌まわしいという意味。そんな名前がつけられた《魔王剣アボミナブル》はルイにとって一体どんな剣になるのやら…

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