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勇者になったんだけど…

「僕が『勇者』、ですか…」

「あぁ、自分が強いにも関わらずその優しい心遣い…‼︎他人を下に見ないその心…‼︎ワシは気に入った‼︎ルイ殿なら勇者としての責務を果たし、ワシらをあの魔王によって脅かされることのない平和へと導いてくれるとな‼︎」


 王様は力強く拳を握って熱弁すると、途中からポカンとしているルイを『ビシィッ‼︎』と指差した。


「命令…というのは心苦しいが、ルイ殿は今から『勇者ルイ』として街のはずれにある神殿へと向かってもらいたい。そこには必ず、ルイ殿の役に立つモノがあるはずだ」


 ルイは王様のその言葉を聞くと、ユナの顔を見てコクリと頷いた。


「わかりました王様。僕はただ今より『勇者ルイ』として必ずしもあの忌々しき父親マオウを倒してみせます‼︎」

「うむ。ではクライム、ルイ殿とその奥様を元の場所へと送ってやってくれ」

「御意」


 女はそう言いながら2人の肩に手を置くと、一瞬にしてその姿を消した。


「お、王様…‼︎どこか関心に浸っているところ悪いのですが、負傷者が‼︎」

「む…⁇な、なんだこれは⁉︎」

「それが…先程謎の波動のようなものが飛んできて、あの勇者御夫妻と王様、姫様以外の全員が吹き飛ばされたようで…」

「なんだそれは⁉︎ええぃ嘘を吐くでない‼︎その負傷してるとか言っとる奴らは全員解雇じゃ‼︎あ、でも一応救護班は呼んであげてね」

「わ、わかりました‼︎」



ーーー



「それでは、私の役目はここまでですので。どうか世界を救ってください勇者様」


 控室へと戻ってきた3人。女はそう言うと、一瞬にしてその姿を消した。


「それでは旦那様、わたくし達もその街のはずれにある神殿へ向かいましょう」

「うん。これでようやく僕も勇者ってことだね‼︎」


 2人はそんな会話をしながら闘技場のような建物を出ると、入り口で待っていたのかプラソンとシリアスは2人の元に駆け寄ってきた。


「遅かったなルイ‼︎ま、姉上相手にあれはすごかったからな…流石に疲れただろ」

「いや全然」

「えっ…マジで⁇」

「うん。そんなことより南の神殿に行きたいんだけど…2人は場所とか知らない⁇」


 プラソンとシリアスはルイのその言葉に『勇者になったから加護を受けないといけない』という意図を見出みいだすと、お互いの顔を見てコクリと頷いた。


「よかったねルイ。私も勇者のパーティの一員として頑張らなきゃ‼︎」

「いや、ここはまず家でパーティーをしてからだな‼︎パーティだけに」

「なにそれ笑えない」

「…すんません」


 ルイとユナはそんな2人のやり取りを見ると、静かに苦笑した。


「えっと…パーティーもいいんだけどさ、それよりも早く神殿に行きたいなって…」

「あ、そっか。よし、俺達が案内してやる‼︎」

 勇者ルイの誕生だー‼︎


 …って次期魔王候補が何言っとんねん。

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