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プロローグ

初めてなので少々舌足らずな部分もありますが、暖かい目で見てやってください…

「…早く天国に行かせてください。地獄でもいいので。」




虚ろな目で前に居る最高神『デウ・エス』に懇願する少女がいた。


生憎、この少女は先程死にたてホヤホヤの少女である。


「本当に生まれ変わりたくないのかい?最近異世界とかめちゃんこ人気なのにさ。僕は行った方がいいと思うよ…」

「嫌です。」


異世界の転生なんてロクなもんじゃあないと、少女は頑なに拒否し続ける。


「…君の前世は知っている。でも僕が紹介しているのは異世界だ。髪の色、眼の色なんて関係ないし、種族も関係ない。過去なんて知ったこっちゃない。全てが自由なんだ。今なら異世界特典でマーベラスな能力もあげちゃうのに」

「…知りません。」


やれやれと、目の前に居る最高神は頭を搔く。そしてふと迷案を思いつく。


「そうだ!痛みがトラウマにならないようにダメージを受けても寧ろ快感に感じるような体を」

「御託はいいからさっさと天国なり地獄なり連れてってください」


こいつ最高神の目の前で生意気だなと、デウ・エスは表情を曇らせる。


「じゃあこうしよう。世界を救う、という名目で異世界に転生する。そしてもう1つ!!!『幸せ』を探す、という目的を追加する!君はとてつもなくいたたまれない死に方をした。心にも相当の傷が残っているだろう。その状態では天国にも地獄にも行けないさ」


少女は溜息をつく。


「世界を救う気なんてありませんし、幸せなんて結構です。それに、私より深い悲しみを背負い死んで行った人達は皆天国や地獄に行っていると、優しい天使さんが教えてくれました。さぁ、早く天国か地獄か」


ドヤ顔で言い放った少女。しかし、次の一言でその顔は青ざめることになった。


「もう遅い!転生させる事にした!」


最高神は高く言い放つと、少女の身体が光に包まれ、さらに上へと登っていく。


「はあああ?!ちょ、下ろしてください!」

「そんなじたばたしたって無理さ。そう、君の能力を思いついたんだ。君を一目見た印象で重い何かを抱えてそうだった。だから君の能力は……」








重力制御(グラビティ)さ」

「クソ神!呪ってやる呪ってうああああああああぁぁぁ…………」





光が収束し、遥か高い場所へと勢いよく登って行った。少女は転生への道を辿り、やがて異世界に到着するだろう。


厄介な、己の能力とともに。


「ロロ・ロティースとか言ったっけ…頑張ってね。使い方によっては重力の制御なんて…」










「恐ろしい能力さ」


神様らしくない黒い笑顔を浮かべながら、最高神デウ・エスは呟く。それは本当に、面白いおもちゃが手に入った子供のそれに近かった。

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