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明けましておめでとうございます。
今年も投稿していきます。
皆、突如現れた道を進んだ。
暫くし、集落にたどり着きその奥にある妙に存在感の強い建物に入っていった。
一同の眼前には巨大な樹が巨大な椅子に鎮座しているのが見受けられた。そして、ここまでの沈黙を真っ先に破ったのはアンディであった。
「いい加減拘束を解け、最高長さん」
「無理だ、エイブ。先程条件があると言ったであろう? 先ずはそれを伝える。第1に警戒をしなくてもよいと分かるまで拘束を解かない。いいな?」
「俺は、エイブじゃねー、アンディだ。そして、聞くな。無視すると何されるか分かんねーし、俺にとってはそれが恐れていることだ」
「それはすまない、人違いか。しかし、同等の立場だと揺さぶりを掛けても無駄だぞ? お前は異常だ。だからお前の言葉は届かんぞ」
無駄……か。
と思いつつも敢えて返答してくる最高長の優しさを実感しているアンディであった。
「いろいろ聞くが先ずは個人的な質問が1つある。それを聞くぞ。何故話し方が違う?」
「は? いつとだ?」
「エルフ達と話している時と私達と話している時とだ。優しさが消えた、そんな印象を持っているのだが? 無自覚か?」
「敵だと分かったからだよ。明らかに異常に、幻術で精神的に、攻撃を仕掛けていただろ?」
「それは、申し訳ないが、新しく来る者はある程度事前に調べ脅威になり得るか判断を下さねばならぬのだ。私達は賢いところもあるが非常に弱い種族であるからな」
「それでもあれは異常だろ? 俺は倒れるなんて聞いてなかったぞ」
「それはお前が幻術に感づいた初めての者だからだ。だから私達は強力な幻術にしていくようにした。結果不十分な状態でお前を連れて来ることになってしまったがな」
「今はもう楽だけど、お前らはあれの辛さを知らねーだろ?」
「知っておる。私達は私達同士で争わせるような物を使わない。しかし、これは非常時だ。そしてこれからお前に少し危険な術をかける。お前の記憶を取り戻すためにな」
その瞬間アンディは目を見開き、「出来るのか? 希望があるならやってくれ」と言った。
「私達はそれが恐ろしい。お前はそれを求めている。では、始めるぞ! 暫く意識が戻らないこともあり得る。恨むな」
直後、アンディの脳内に膨大な量の情景が流れ込み、止まることなく去っていった。そして、その膨大な量の情景の内アンディが確かに認識出来たのは極僅かであり、脳の限界を超え、アンディの意識が飛んだ。
暫くし、脳の整理が追い付くとアンディの意識が戻ったが、思い出せたものは数える程に減ってしまっていた。
何だよ、これは?
そうとしか言えない情景が脳内に何度も再生されていた。
「……あ……」
振り絞ってようやく声が出た。
「何が見えた? サイモン」
最高長の質問に対しやっとの思いでアンディは答える。
「……液体……、と、カラフルな……空間? 適当に、色を……ばらまいた感じ……何、何だよ……あれは?」
「それが全てか?」
「あと……、印象に、残った……のは……、影?」
「何のだ?」
「……分から……ない」
「お前の過去は何だったのか? 私も少し見たが、何だったのか分からない。それに、やはりお前は魔法が使えないのか?」
「魔……法? 聞いたことも、なかったぞ。」
その疑問にはスーロが
「先ずは君について知ろうと思ってたし、俺たちエルフも魔法があまり使えない種族だから忘れてた。」
と答えた。
「左様か。しかし、耳はおかしいがエルフではないのは確かだ。エルフらしからぬ記憶を持っていたからな。余計に謎が深まってしまったか……。しかし、魔法がないことと、仲間がいないことでは安全であるが、記憶が不確かだ。私には判断しかねる。サイモン、何を望む?」
「サイモン? 俺の名か? 情報しか望まねーよ」
「なら、情報を少し与えよう。最終判断はその後でも遅くはなかろう。それから、サイモンとは私の中では最も印象的な言葉だっただけだ。覚えがないなら忘れろ。これから言う情報が入らんぞ」
「分かった。頼む」
たまたま日曜日に投稿してるだけなのに何でクリスマスと元旦にあたったんだろ?
そんな疑問を持っていますが、これからは日曜日じゃなくても気が向けばこういった特別な日にも投稿しようかなと思いました。
ですから、これからのそういう日は期待はせずに待っていてください。