魔法
「まぁ、でも、ここはやめておくか。ゴミが臭いからな……」
とアンディはゴミ箱を見ながら言った。
「まだ人がいないと言っても、見られてる可能性はあるし、こっち側も探してるかもしれないから慎重に行動しないとな」
そう言ってアンディは辺りを見渡し、隠れやすくゴミ箱のない場所を探し、そしてそこへ向かった。
「ここなら大丈夫だろ。ゴミはあるけど粗大ゴミだから臭くないし、隠れやすい。とは言え路地裏には変わりないんだよな……」
そこには悲しさが表れていた。
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暫くし、太陽が水平線から完全に出た頃、アンディの前を1人通った。
ん? こんな朝早くにこんな場所で何してるんだ?
と思いその人物が角を曲がったのを確認し、隠れるのをやめ、その後を追った。
その後2つ角を曲がった後アンディは驚愕する。
道が……消えた……? え? 何で? 見間違いじゃない、何が起こったんだ?
少し考え、結論を出す。
そう言えばここは魔法が盛んだったよな? どんな人のあれかは分からないが魔法を使った秘密の何か何だろう。
しかしそれは、アンディの自己満足な解釈でしかなかった。
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少しその事を考えた後、歩行人が増えたのを見計らい、アンディは堂々と表を歩き始めた。
「ここは確か魔法区だったよな。魔法の勉強少ししていってもいいかもしれないな。どこかいいところあるかな?」
そしてアンディはある建物に目を止めた。
「小魔法学校? 誰でも参加可能なのか。行ってみる価値はあるな」
そちらへ行こうとするが、踏み止まる。
「……先に宿探さないとダメだ。またゴミと一緒に一夜を過ごすのは勘弁だ」
そう言って宿を探し始めた。
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「ここ今空き部屋ありますか?」
「ええ、もちろんですよ。ですけど、何でまたこの区に来られたんですか? 観光なら国境に近い観光区か宗教区の方がいいでしょう?」
「確かにそうですけど、魔法について少し深く知りたいと思いまして、この国回ろうと思ったんですよ」
「なるほど、そういう訳でしたか。いや、先日観光区で事件があったみたいなんで一応気を付けているんですよ」
一瞬硬直するが、
「そうだったんですか。中々大変そうですね」
と平然と答えた。
「それでは部屋に案内しますね」
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「あれ、まだ届いてないのか? ちゃんと届いたか確認用にメッセージ1つ送れる設定にしてたはずだけどな? やっぱり魔法はまだ信用出来んな」
と、フランクが店の前で呟いた。




