金属片
アンディは法律博物館から出てきながら
「やっぱりここは難しかったな……」
と少し後悔しながら言った。
そこでふと目を向けた先にある、魔法歴史館。
アンディはそれが他の博物館から少し離れて建てられている事が気になり、その中に入る事にした。
「ここだけ他のから少し離れてるし小さいし、何より整備が足りない。何でこんなに他と違うんだ?」
そう考えアンディは文章を読み始める。
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魔法史
魔法は大きく3種類に分けられる。
1つは化学に近い魔法。
1つは意志の力の魔法。
1つは他2つに分類出来ない魔法。
我々はこれらを順に、
変化魔法、
意志魔法、
実魔法、
と名付けた。
変化魔法は化学変化を異常に飛躍させる他、全く別の変化にする事も出来る魔法。
意志魔法は発動条件にやや難があるが発動と強弱は意志のありように由来している魔法。
実魔法は比較的強力な効果であるが習得が難しく長い時間を費やす高等魔法が多い魔法。
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「相変わらず出だしは硬い文章何だな。最後は魔法付けなくてもいい気はするけど、この国は細かいところ統一したいのかな?」
その時アンディの目の端で捉えている部屋の奥、中央部に飾られてある何かに気付いた。
……金属か? 何かの破片だよな? 一体、何の……?
と思いそれの目の前、線上まで進んだ。
「やっぱり、金属片だよな?」
何だろうこれ? どこか見覚えがあるような? どこで? ……触って、みたい……。
無意識にそれに手を伸ばすアンディ。
「おい、何をしようとしてる!」
隣の部屋から従業員の罵声が聞こえた。
それを聞き気付く。
「え? あ、すみません。何か、見とれて」
「触るのは駄目だからな。ちゃんと見るだけにしろ」
「はい。気を付けます」
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謎の金属片
昔空から降ってきた物。
国の創生期に降ってきた事から神の最後のお告げと言われている。
どう作られたかは謎。
化学と魔法両方の反応がある。
少なくとも化学の知識のみでの解明は不可能。
謎がかなり多い。
解明すれば魔法の発展や歴史の新発見の可能性が十分にある。
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「……どういう事だ? だったら何でここに展示されてるんだ? 研究機関に保管すればいいのに……。注目はあるはずなのに何故? 一体これは何なんだ?」
アンディは見覚えのあるそれが奇妙な物と分かり、考え困惑する。
じゃあ、何の為にここに?
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アンディは暫く他の博物館を見た後、宿を探しそこに泊まった。




