出発
客入りがよかったのは1日だけではなかった。
あれから2日が経過したが、アンディは店の状況と給料の増加を見て明日には旅立てると思い、閉店した後にその旨をフランクに話した。
「そうか、もう明日には行くのか。随分早かったな」
「そんな事ないよ。いろんな事……と言うより金属の事が多かったから金属の事いろいろ教えてもらえたし金ももらえた。やる事やったら戻ってくると思うけど、多分大分先の事だろうな……」
「……そうか。それで、明日は働くのか?」
アンディにはその言葉がフランクの悲しさが滲み出ている様に感じたが、つられまいと平然を装った。
「そうだな。昼頃出発しようかな。」
しかし、本来は朝には出発しようと思っていたが、自身の目的と感情の中間をとり、昼の出発に予定を変更した。
「そうか……。じゃあどんどん働かせるからな!」
とフランクは笑いながら言った。
「まだ働かせる気かよ。仕方ないな、頑張るとするか!」
とアンディは笑いながら答えた。
ーーーーー
翌日。2人は驚いた。
昨日まで来ていた客が全く来なくなったのだ。
寧ろ通常のフランクの店の状態に戻ったと言える状況であった。
「何で誰も来ないんだよ……」
とフランクが呟いたのを聞きアンディは
「俺がいなくなった後で、1人で仕事するの楽になったんだからよかったじゃん!」
と返した。
「あのな、俺はずっとこれで働くんだよ。もっと金と客が安定して欲しいんだよ!」
と必死にフランクは言った。
「そうだったな。まぁ、仕方ないさ、これが普通なんだからさ」
と事実をアンディは述べた。
しかしフランクには疑問が残っており、
「そうだけどよ。急にこんな風になるのおかしくないか?」
と聞いた。
「だから、俺は前にあんなにいっぱい来るのおかしいって言ってただろ?」
それを聞き確かにと思いつつも常に売れない事からの悔しさがありフランクは自身の思う商売を言った。
「そうだったけどよ。けどよ俺からしたら売れたら何でもいいんだ、だからそんなもん問題じゃないんだよ!」
「……そういうものなのか?」
「そうだよ!」
そんな会話をしながら彼らは昼まで過ごし、昼食をとった。
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昼食を食べ終わり一通り会話や挨拶を交わした後、アンディは出発した。
「じゃあ、またどこかで」
「おう! 元気でな!」
2人の心情は今までよりも比較的穏やかなものであった。
早めの投稿でしたね。
はい。




