気配
富豪は気に入ったと言い部下に武器を積み込みと支払いをさせた後、また来るからと言い残し店を出た。
流石に2人とも疲れていたため、2人はすぐに寝た。
翌日、アンディにとって奇妙な事が起こる。
「何でこんなに客が来るんだよ……」
「気にするな、金さえもらえればそれでいいだろ」
と笑いながら言うフランク。
それに対して冷静にアンディは答える。
「でもこんなに急に増えるものなのか?」
「増えるんだよ。今までもたまにあったし。例えば旅の団体とかさ」
しかしそれはアンディの望む答えでなく、少し考え込んだ。
……でも、この客達、統一感が全くないんだよな。何で個人で武器が欲しいって人が来る日がこんなにも重なるんだ? 何かおかしいんだよな。
とアンディは思った。
「でもさ……」
その時突然、声が聞こえた。
「ウフフ。この調子かしら? 今日はとりあえず様子見ね」
と女性の声が。
アンディは声の聞こえた方を見る。
しかしその行為は、アンディを混乱させた。
あれ? ……誰もいない? 確かに声が聞こえたのに。
「……なぁ、フランク。何か聞こえたか?」
「客の声なんていちいち聞いてないよ。聞くのは注文の時だけだ」
「……そっか。流石は面倒臭がりだな」
「俺の侮辱はいいから、働け!」
それを聞き、何も言わずにアンディは作業を再開させた。
フランクは少しアンディを見て、
今は客が多いから仕事に集中だ。
と思いアンディの事を一度頭の隅に置き仕事を続ける。
日も登り店は休憩をとった。
「アンディ、飯食いに行こうぜ。腹減ったよ」
「あ、すまんが今日は考え事があるから1人で食うわ。じゃ」
そう言うとアンディは広場付近へ1人で昼食をとりに行った。
「……行っちまったよ。あいつ何か絶対悩み事あるのだろ。気になって仕方ないんだけどな」
フランクはアンディに気を遣い別方向へ食事をとりに行った。
少し時間が過ぎ、昼食を終えたアンディは確かに見た。
宙に舞う煌めく謎の物体を。
アンディはその物体から意志の様なものを感じ聞き取れない言葉が流れて来る様な奇妙な感覚があり、同時に視線を感じた。
しかしそれは、冷たい視線ではなく笑われているに近い僅かに気分の害されるものでありおぞましさは全くなかった。
あれは一体何なんだ? 光の反射とかじゃないな。魔法なのか? それにしても何か感じるんだが。
と考えていたが、同時進行でその物体は薄らいでいた。
そしてその物体は消えた。
疑問を覚えたが、アンディは仕事に戻る事にした。
最近は特に変な事が多いな。
アンディの素直な思考であった。
ーーーーー
ある老人が山の麓にいる。
「さてと、次は森にでもするかな」




