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Splitting Branch  作者: hadron river
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白夢

眼前に、明暗激しい世界が広がっていた。

その世界は、明暗どちらかの判断をした時には既に幾度となく明暗があった事を認識出来る程速く点滅が繰り返され、現在の明暗の状況を判断するには時を止める他ないというものであった。

そこには繰り返される、白と黒、それしかなかった。

そんな世界に1人の男がいた。

彼はそれを認識出来たが思考出来ない状態であった。そして動けずにいたので、ただ、前を眺めていた。


暫く眺めて異変に気付いた。

だが、気に止める事が出来ない。

確実に大きくなって近づいてくる黒い影に本来なら恐怖を覚えるはずだったが、何も出来ない状態がその思考を取り除いていた。

そして影に飲み込まれた。


ーーーーー


自然豊かな世界のある森のどこかに人間がいた。

そしてどこからか声が響き渡った。

「どうして私を探さないの?」

「その聞き方おかしいよ」


「どうしてあなたは必死にならないの?」


「どうしてあなたは探し求めないの?」


「どうして?」


「質問責めも混乱すると思うよ」

「そうかな?」

「そうだよ、きっと」


「何を聞いてるんだ?」


「どうして探さないの?」

「何を?」


「……あなたを!」


「……どういう」

「それはあなたが1番分かってるよ」

「自分で分からせるのがいいよ」

「そうね、自分で探させるのが早いね」

「さぁ、黒くなってきた。終わらせよ。終わらせよ」

笑いながら言われるそのセリフ。

歌の様にそのセリフが言われ、言い終えた時、意識が途絶えた。


ーーーーー


アンディは目覚めた。

しかしそこは夢の中のどこかであった。

アンディを境に白と黒の世界が広がっていた。

アンディが動くとそれに従って世界が動き、アンディには黒き世界を認識出来ない様になっていた。

アンディはその世界を不思議に思い探索しようとした。

しかし、背後からの水の滴る音と眼前の波によって、それは止められた。


「あなたは誰? あなたは何なの?」


「………………」

声が出せなかった。


「声の出し方が違うよ。本来の楽な出し方しないと」


「………………」

意味が分からないアンディ。


「……質問した方が早いね。もう一度聞くけど、あなたは誰?」


「……ア、」

声が出た。

しかし

「何故そちらを答えるのかしら? 人間は分からないわ。今のあなたの知ってるのは全て人間だし私も人間だけど、あなたは少し何かが違うわね」

の声に遮られた。


「……ど………意味…?」


「そのままよ。やっぱり、私と感覚違うわよね」


「……何、言っ…る…だ?」


「あなたにとってのあなたは何?」


「何を、聞いてるんだ?」


「だって、あなたは……」

突然の閃光で目を閉じた。


ーーーーー


アンディは飛び起きた。


……何だったんだ今の夢? 悪夢っぽく感じなかったけどな。

とアンディは夢について考えていた。

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