会話
「なぁ、フランク、また1つ質問していいか?」
「何だよ。仕事中だって言ったろ」
「この店、本当に客来たことある?」
「あるわ、バカにするな」
「へー、じゃあ何で今日は来ないの?」
「武器屋なんてそう何日も来ないよ。それに長い間使ってもらえる方が質のいい武器に近いだろ?」
「確かにそうだけど。でもそれただの言い訳だろ。他に仕事しないのか?」
「……無理だよ。今でも2つしてるだろ。まぁ、魔法道具作るなら出来るが、材料がね」
「なぁ、その材料ってどれぐらいするんだ?」
「そうだな、最安値のものでも銀貨5枚だろうな。それより安いのは見たことない」
「5枚? ……20枚あるけど足りないか。金貨は1枚あるけど……なんか出来る?」
「……何で全財産渡そうとしてんだ? 金貨1枚はデカイけどよ銀貨20枚は微妙だな。まぁ期待してなかったがマゴールは無いんだな」
「マゴール? 何だそれ?」
「え、何で知らねーの? 通貨だよ。銅貨、銀貨、金貨、マゴールの順に高くなるよ。誰が決めたか知らないけど通貨になるぐらいの価値があるらしいな」
「適当だな、価値があるらしいって。まぁでもそれっぽいの無いな」
「だよな。まぁ金貨を使えばそこそこのは買えると思うけどよ。希少な物は全く買えないな」
「じゃあ、手っ取り早く稼ぐ方法は?」
「やっぱりギャンブルだよ」
「……金やるから道具作って売ろうぜ。……出来るだけ安く買える所探して出来るだけ安く売れば客も来てくれるって」
「探す時間が勿体無いだろ」
「何の為に俺がいるか分からねーのか? お前の手伝いだよ。買い取る場所は俺が探す。だからお前が俺に金属の知識をくれ。そして俺が買って来た金属をお前が出来る限り最高品質にしてくれ。そうすればきっと儲かるさ」
「何も知らねー奴の言葉だな。……でも、まぁ、面白そうだしやってみるか」
「よし。じゃあとりあえず、倉庫にある金属と、無いけど欲しい金属について教えてくれ」
「……仕事中だよ」
「客全くいないじゃん」
「またこの話するのか?」
「客が来るまで暇だろ。教えてくれよ」
「………………。仕方ない。とりあえず数多いのは安いからそれから持って来て。高いの傷付けられたら困る」
「その割には倉庫の出入り自由だけどね」
「黙っとけ、教えねーぞ」
「あー、はいはい。では今から、安いのを、やっすい金属を、とって来ます」
「安い強調するな。悲しくなる」
「事実だから仕方ないよ」
「……やめてくれ」
「はいはい」
アンディは笑いながら答えた。




