呼称
「まずは君が知りたい事を言っていくよ。その後に大事だと思う事を言っていくよ。じゃあ、まずは名前からだね。俺らエルフはその人の功績や役職に応じて名前を付けたり、その人の得意としている事で名前を付けるんだ。で、大体の場合は最初の母音を並べる形で単語をいじって名前にするんだ。例えば、俺の名前はスーロだけど、元は投げるからきているんだ。理由は小さい頃から肩が強かったという事なんだ。そして定着した。俺の場合は今までこれ一つだったんだけど、アーチの様に何度も名前が変わる奴もいる。まあ、アーチの場合はバカ過ぎてそうなんだが、他の人は大体賢かったり強かったりで、役職がころころ変わるから名前も変わるんだよな」
笑いながら言うスーロに対し納得の一言を言おうとするアンディを遮ってアーチが大きな声で言う。
「バカにすんじゃねーよ!弓が一定年齢以上でないと持てないのがおかしいんだよ!そうでなければ今まで名前が変わることはなかった!」
そんなバカげた事を言うアーチにうんざりしているのか「当然だろ」の一言で済ませるスーロ。
「まあ、名前はこんなところだ。他に聞きたい事はあるか?」
「そうだな、まだ名前関係なんだけど、名前を得意な事や役職なんかで決まるのは分かったんだが、得意な事で名前を決める場合その得意不得意は自分が勝手に決めて名前も自分でつけるものなのか?それともお偉いさんが決めているものなのか?」
「あ、そっか!すまないな、そこの説明忘れていたよ。役職以外で名前を決める場合は10歳を越えるまでは基本は親が見て決めるけど、越えたら年に1度長が主催する試験で試験管3名以上か長の誰かが公認すると名前にする権利をもらえるんだ。あ、ちなみに10歳までの親からもらった名前は公認されているのと同じ扱いなんだ。だからいつでもその名前に戻せるし、それにアーチの前の名前のフールのように友達につけられたあだ名が、定着してもはや公認される事もあるから実際は名前の公認試験は他種族からしたら無意味な試験に近いんだ。」
途中から笑いながら話をするアーチにアンディよりも早くスーロが少し怒りの念を込めて返す。
「ふざけるな!フールは前の前の名前だ!前の名前はノージだ!どっちも嫌だけど名前を間違えられるのはもっと嫌だ!いい加減覚えてくれよ!」
「すまんすまん。ま、あくまでエルフ全体の説明だからさ、見逃してくれ。それでだ。アンディ分かったかい?」
アンディは考えていたのをやめ答える。
「ああ、助かった、大体分かったよ。」