到着
アンディは山の麓からずっと歩いていた。
周囲は砂が主体の砂漠から岩石が主体のものになっていたがまだ町は見えていなかった。
しかしアンディには焦りはなかった。
今回は今までよりかなり冷静であった。
その理由は本人にも分からないが、アンディはその事への恐怖はなく、時々休憩を挟んでいた。
「町はまだか? 後ろからは何も来てないし休むか」
それにしても、よく頭が働く。
シャドウに追われるのは怖いけど森で会ってからすぐには追いつかれなかった。
わざとかもしれないがそれが油断になって必ずチャンスがくる。
あいつの考えはよく分からないけど絶対舐めてる。
ティカリットに着いてからは対抗手段を考え始めないとな。
「後どれくらいで着くんだ? もしかして、山まで飛ばなかったら数日経ってたのか? 悩んでても仕方ないな。よし行こう」
アンディは歩みを再開させた。
ーーーーー
ティカリットにて。
「なぁ、そこのおめぇ地震についてどう思う?」
「何だおっさん、酔ってんのか?」
「んなこと関係ねーよ。地震だよ、地震。もしこの町で起こったらよ。おっそろしいじゃねーかって考えねーのかと思ってよ」
「考えないよ。おっさんは変わってるね、この町出身の商人じゃないでしょ?」
「おめー、賢いな。学者かなんかかい? 俺もこの町で自分の店出してっけどよ。なーんかこの町の考え合わないのあるんだよ。何でかねー?」
「知らねーよ。おっさん店持ってるなら働けよ。何で昼間から読んでんだよ」
「今日は定休日でさ。てか客すくねーし関係ねーよ」
「おっさん何の店出してんの?」
「んあ? ああ、あれだよ、あれ。ほら、あれ」
「どれだよ。ここから見えるの?」
「ん? ………………」
「おい、何で寝るんだよ。変なおっさんだな」
「か」
「ん? か? ……寝てるよな?」
ーーーおよそ3時間後ーーー
「……あれは、ティカリットか? もう少しだな」
ーーーーー
「おっさん、まだ飲むの? もう帰って明日の準備したら?」
「いいよ店長。飲むのも働くのも俺の自由だからよー」
ふと、おっさんが町の外を見る。
「あら? 砂漠の方から誰か来たぞ? 商人じゃねーよな。地震起きてたよな。もう分かんねーや、直接聞きゃいいんだ。そうだ」
そこから2分後アンディとおっさんが対面する。
「おめー、なにもんだ? 砂漠の方から来るって、珍しいよな? 地震から逃げて来たのか?」
「おっさん俺に話しかけてるのか? そうだな……」
アンディは少し考え占い師の言葉などを思い出し「無法者」と告げた。
「無法者? なんか犯罪でも犯したのかい?」
「そうじゃねーよ。俺は無法者だ。あまり考えるな」
「なんかおめー気に入った。無法者なんて答えるのおもしれーや。うちの店来るか?」
「え、店やってんの?」
「やってるやってる。今日は定休日だから飲んでるだけ、おめーのために特別に開けてやるよ」
「何か悪いな。まあ、店に行くよ」
多分、酔い潰れてるだけで安全なおっさんだろ。
と考え、アンディはおっさんについて行った。
振り返ってみると何故かちょくちょく酔ったおっさんが登場するというのが気になりました。
ただ、それだけです。はい。




