道具
そう言えば昨日はエイプリルフールでしたね。
誰にも嘘つかれなかったので気付きませんでした。
本当に特別な日なのか分からないですね。
はい。
それにしても、これ本当に使えるのか?
説明書あるから読んでみるか。
と考えた後先程買った道具の説明書を取り出し、睡眠道具の方から読み始めた。
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これは睡眠する時に使用する道具です。
これは夜でしか使用出来ません。
旅の最中で宿に泊まれない時や街に到着する前に夜になってしまった時に使用してください。
その他の使用方法は使用者に責任がありますので気を付けてください。
使用中道具は宙に浮き、地上からの敵そして宙からの敵は音によって使用者の安全を確保します。
注意
必ず正午までには強制解除があります。
その3時間前から使用者に聞こえる音が30分毎にありますのでお気を付けを。
強力過ぎる力には耐えきれず壊れる場合があります。
そして空の敵が音で中々追い払えない場合のみかなりの騒音が出る事があります。使用者には聞こえませんが、周囲には聞こえるので街中での使用はお控えください。
最後に
正式な使用方法での故障のみ我々は責任を負います。しかし、その他のどんな方法であれ故障の全責任は使用者にあります。
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……壊れやすいのか?
使用者に責任があるって、そんな念押ししなくても。
これはもういいや、次読もう。
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これは治療する為の道具です。
治せるのは人間だけです。
この道具の使用開始時に道具が1度宙に浮き、その場から最も近い安全地帯に移動します。
ただしその場が安全地帯なら移動しません。
移動終了後治療を開始し、怪我の具合によっては使用者に麻酔を使用し、治療終了後2分以内には目覚める様にしています。
あらゆる怪我を治せますが、病気は治せません。
ただし魔法による病気は治せます。
注意
治療中に万が一危険な状況になっても道具は使用を続けます。
治療よりもダメージが早いなら死ぬ可能性があります。
上記2つについては責任を負いかねます。
死人の蘇生は出来ません。
決して万能ではありません。
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何でこんなに責任を使用者に負わせたいんだ?
魔法道具はそんなに不便なのか?
便利なのは変わりないが、なんか恐いな。
あれ? もう一枚ある。
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この道具にはボタン式とピン式の2種類があります。
ボタン式は誤作動を避ける為カバーをつけています。
ピン式は抜くと5秒後に作動します。
5秒以内にピンを戻すと作動しません。
こちらは誤作動の対策をしてないので各自何か対策をお願いします。
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確かに2つあるな。
別に紙1枚でいいだろうに何で2枚にしたんだろ?
その時アンディは夜が近い事に気付いた。
「丁度いい、こいつを試してみるか」
そう言うとアンディは街の端へ歩いて行き、睡眠道具を作動させた。
「おぉ、凄いな。確かに便利だ。それにしてもこれの名前なんだろ? 治療道具もそうだが説明書にも名前がないって何でだ?」
そうしてアンディは眠りについた。
ーーー翌朝ーーー
「なるほど、日が昇ってもまだ解除はされないか。具体的な時間書いてなかったけど、そんな長時間寝ないし便利だな。てかこれどんな魔法なんだろ? 魔法って本当に法則とかあるのか?」
そう言ってふと街を見ると昨日なかったテントの様なものが飲み屋の近くにあった。
「出発はあれを確認してからでも遅くないな」
そしてアンディは道具を解除して片付けた。
今回こうなるはずじゃなかったのに、どうしてこうなった。
説明会みたいに説明多すぎですね。
花見シーズンですね。はい。




