見張り
さあ、出てきたはいいが、戦い方はがわからない。
「予想通り、出てきたな」
「……」
敵を発見。二人いるみたいだな。
「かかってきな」
「……」
どうするべきか。
「どうした。こないのなら、こちらからいくぞ」
「……」
とりあえず、余裕がある風に言ってみるか。
「かかってこい」
「……ならいくぜ。雷光弾」
黒い雷が舞う。大地をえぐり迫ってきた。 そして直撃。
「何故よけないんだ!?」
「よける必要がないからだ」
流れで言ってみたが、実際無傷である。次は攻撃か。
「雷光弾」
言ってみた。黒い雷が放たれる。使えるのか。
直撃。何故よけないんだろうか? 無傷じゃないのに。
「やるな」
「強がる必要はないぞ」
「強がってなどいない。効いてないのだ」
「雷光弾。雷光弾。雷光弾」
はい、倒しました。効いてるじゃん。
「……」
こいつはなんだ。しゃべらないのか。
「もう十分よ、戻りなさい。沈黙之天使、雷光之堕天使」
突然現れた女によって、敵二人はどこかに消えた。
「さすが、魔王様ですね」
味方なのか?
「申し遅れました。悠夜愛 有紗です」
「そうか。それで敵か味方か?」
これだけは確認にしておかなければいけない。
「味方です。安心してください」
なんか、安心できない。
「さっきのは、私の召喚兵。試させてもらったのよ」
「そうか。なら戻るか」
「私は、見張り担当です。ここにいますよ」
「おお、ご無事に戻られて何よりです」
「ああ」
こいつらが仕組んだわけじゃなさそうだな。一応確認しておくか。
「見張りの奴について教えてくれるか」
「かしこまりました。見張りは使い魔です」
彼女が使い魔なのか? そんな感じじゃなかったが。
「彼女は誰の使い魔だ」
「彼女? ああ、彼女が使い魔で見張りをしてます」
……こいつ……わざとやってるんじゃないのか。
「その彼女について教えてくれ」
「よくわかりませんが、味方です」
雑だな。でもまあ、味方ならいいか。いいのか?
「じゃあ改めて、手駒を増やすためにいくか」
「了解しました」
「わかりましたわ」
「リョウカイ」
「あ、ディアボロスは残れ」
「了解しました」
あいつは、いないほうがいいと思った。さあ、いくぜ。