荘厳なる少女マグロ と 運動会
"蜘蛛宇宙人":
「ボクが
何を
言っても、
それらは
聞かない。
聞きたくないんだ。
そんで…――
”聞きたくない者”は
何も
しないんだ。
助けに
ならないんだ。
助ける事は
出来ないんだ。
助けられる事は
無いんだ。
そして
それらを
止める事は
出来ないんだ。
それらは
<合理的>に
選択する。
”ヒューマニスト”なら
その人達が
ガケ [崖] から
落ちていくのを
拾おうと
するんだろうけど、
ボクは
そう
しなぁい!
”ヒューマニスト”
という
<”劣る者”
ユーグーテッテイシュギシャ [優遇徹底主義者]>
なら……――
<感動>
――するんだろうけど
ボクは
そう
しなぁぁぁい!!
だって、
その
<感動>、
その………――
”共感”
――によって
問題が
起ってるし。
お父さんが
<目的>
をタッセー [達成] する為に
<合理的>
に利用している事。
”悪”。
でもね、
”悪人”が
どれだけ
数を
集めて
”共感”
しようと……――
『ゼン [善]』
――には
ならない!!!」
―――――――――――――――――――――――――
"蜘蛛宇宙人":
「お父さん」
"蜘蛛宇宙人":
「ボク…――
信じてた」
"蜘蛛宇宙人":
「可能性が
あるから
信じてた」
"蜘蛛宇宙人":
「そんなものは……――
『無い』
――のに………
『在る』
――って
信じてた」
"蜘蛛宇宙人":
「でもね……――」
"蜘蛛宇宙人":
「お父さん」
"蜘蛛宇宙人":
「…変わらないんだよね」
"蜘蛛宇宙人":
「お父さんは
変わらないんだよね……」
"蜘蛛宇宙人":
「ボクが
信じたり、
<尊重>
する事と
関係が
無いん
だよね………」
"怪人" は
子供を
見つめていた。
”子供ではない
子供”
を見つめていた。
そして……――
"蜘蛛宇宙人":
「お父さん」
"蜘蛛宇宙人":
「ボク…――
お父さんは
お父さんだって
思い込んでた。
でもね……――
お父さんは………
お父さんじゃ……
ないん…
だよね……。
お父さんって………――
『”悪人”』
――だったんだね……」。
その時…――
"怪人" の
仮面の
”様な”
無表情が
剥がれた。
醜い顔。
誰が
美しいと
<評価>
しようとも
醜い
フィギュア。
「ニク
シミ」
ただ……――
"蜘蛛宇宙人" は
動揺しない。
"蜘蛛宇宙人" は………――
「真っ直ぐ」
――見返した。
"悪人" を
見つめていた。
"蜘蛛宇宙人":
「もう……――
終わりにしよ。
あの人みたいに
終わりにしよ?…――
ボクの
”母親”
として
設定された
<人>」
"蜘蛛宇宙人" は
知っていた。
"怪人の妻" が
終わっている事。
消えている事。
"蜘蛛宇宙人":
「お父さん ["悪人"]。
あの人 [”怪人の妻であった者”] は
返事を
しなかったでしょ?……――
あの人 [”怪人の妻であった者”] は
終わってるんだよ。
終わっていたんだよ。
知らなかったでしょ?
ボクも
知らなかった。
でも………――
知ってる。
もう
わかってる。
調べたから。
プライベートを
ケンサク [検索] するのは
イホー [違法] だけど、
これは
<ヒジョージタイ [非常事態] >
になるケースだって
わかっているから
調べたの。
お父さん ["悪人"] が
やっている事に
カンレン [関連] してるから
調べたの。
”悪人”
であるお父さん ["悪人"]。
”最悪”
を導く
<要素>。
”最悪”
へと
加速させる
<原因>
のひとつ」