荘厳なる少女マグロ と 運動会
"蜘蛛宇宙人" は
知っていた。
ただ…――
知らなかった。
"怪人" が
”"青年" の友達
であった者”を
利用しようと
している事を
知っていた。
ただ……――
消そうとしている事を
知らなかった。
そして………――
知らなかった。
消されようとしていた者が
実際に
消えた事。
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"蜘蛛宇宙人" は
止めようとした。
ただ……――
放置した。
”劣る者”の…――
「自主
”性”」
――に任せたのだ。
そして
"蜘蛛宇宙人" は
止めようと
し続ける。
「犬」
――に……
「なろう!」
――と
働き続ける。
そして
自身が
放置した事を
知る。
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"怪人" は
計画を
隠していた。
ただ………――
計画の一部は
漏らしていた。
自身に
都合の
”良い”
程度の
情報だけ。
"怪人" は、
多くの事を
#”社会的には
それ自身の子供”
である
"蜘蛛宇宙人" #に
知らせていた。
ただ……――
「"女王"
<家族>
補完計画」
――は
知らせて
いなかった。
ただ…――
"蜘蛛宇宙人" は
知っていた。
予想していた……――
調べたから。
"マグロの母親" について
調べた
"怪人" と
”同じ”
”様に”
調べていた。
それ以上に
調べていた。
"怪人" が
調べた事は………
――殆ど……
"蜘蛛宇宙人" によって
提供された
データ
である。
"蜘蛛宇宙人" は、
何も
為さない
"怪人"…――
<以上>
――に
調べていた。
努力していた。
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そんな
"蜘蛛宇宙人" は
知っていた……――
「"怪人" が
<家族権>
について………
――執着する程……
調べている事」。
そして…――
「#遺伝子操作情報を
元に
<家族権>
を争った凡例#を
"怪人" が……
――熱心に………
見ている事」。
そして、
遺伝子……――
「patch!!」
――の配合について。
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"蜘蛛宇宙人" は
自身を生成した
遺伝子の元…――
「オリジン」
――と
"女王" に充てられた……――
「patch!!!」
――の
<親近
”性”>
を知っていた。
そして………――
起こりうる事を
知っていた。
その中……――
"蜘蛛宇宙人" は、
"女王" が
キョウダイだと
思った事は
無かった。
オリジナルの
”母親”
が用いられている事は
知っていたが…――
”母親”
だと認識した事も
なかった。
そして
そんな
#キョウダイではなく、
ママンではない
"女王" #の
キョウダイ
である
"マグロ" は……――
「赤」
――の………
<他人>
――であった。
研究対象であった。
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