荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロの姉" は
繰り返す。
"マグロの母親" が
通過した、
#"倒れた少女" を
見た後、
分析を
止めるまで#
その
一連の
プロセスと
”同じ”
を繰り返す。
ただ…――
違った。
理解していた。
そして……――
受け入れない。
認めない。
「無関心」
――ではない。
"マグロの姉":
《あんなの
特別じゃ
ない》
"マグロの姉":
《あたしにだって
出来ない訳
じゃない》
"マグロの姉":
《試合では
成功してないけど………――
練習で
出来なく
ない》
"マグロの姉":
《あたしは……
――今は…
敢えて
してないだけ》
"マグロの姉":
《あたしは
本気を
出していないだけ!》
"マグロの姉":
《まだ
ジュニアだから
必要ないだけ!!》
"マグロ":
《コーチも……――
「今は
必要ない」
――って
言ってたし………》
"マグロの姉"
《今日は
出来ないかも
しれない》
"マグロの姉":
《でも……――
いつか
きっと》
"マグロの姉":
《あの子にだって
出来る
レベルなんだ!!!》
"マグロの姉":
《あたしだって…
そのうち……
きっと………――》
しないにも
関わらず。
出来ないにも
関わらず。
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誰もが……――
「平等」
――に
夢を
見る。
改竄された夢。
それは
<予想>
ではない。
<見込み>
でもない。
「無い」
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「負けず
”嫌い”」
――そのものは
”悪”
という訳では
ない。
ただ
”劣悪なる者”の…――
「負けず
”嫌い”」
――は
#能力の向上による
勝利を
目指す
という方向へ
向かわず、
策略と
工作によって
道を
捻じ曲げる#
形に
なった時……――
”悪”
――が
生じる。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロの姉" は
低レベルの道へ
向かう。
停滞へ
向かおうと
する。
「退化」
――を正当化する
<”悪”
のヒューマニスト>
の道。
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"マグロの姉" は
努力を
しない
訳では
ない。
ただ、
"マグロの姉" の………――
「負けず
”嫌い”」
――は
スピンジャンプ
四回転
三連続の……――
「完成度を
高める」
――という方向へ
行く。
七回転を
目指さないのだ。
五回転さえ
目指さないのだ。
ジュニアで
やっている事を
シニアでも
繰り返すのだ。
過去に
大勢が
した事を…
――”同じ”
――レベルで……
――発展無く………
繰り返すのだ。
誰よりも
高く
跳ぼうとは
しないのだ。
そして
その事によって
"マグロの姉" は……――
「女王」
――になるのだ。
”女王ではない女王”
になるのだ。