荘厳なる少女マグロ と 運動会
「除夜」
――が終わり…
「新しい年」
――が
始まろうとも……――
"マグロ" は
変わらない。
"マグロ" は
抱かれていた。
#この世の
如何なる
恋愛で
理想的に………
――夢想的に……
展開する…
――仮定される……
抱擁#
よりも
<きつく>
抱かれていた。
如何なる………――
「Happy new year!」
――よりも……
<ハッピーエンド>
――よりも
”良い”
形。
"マグロ" は
繰り返す。
ただ…――
繰り返さない。
"マグロ" は……
――その時………
上掛けを
欲しなかった。
必要が
無かった。
「#<自由解釈>
に委ねられて
設定される
幸せ#、
その
<状態>
にあるか
どうか?」
――は……
――その時…
問題では
なかった。
暖かかった。
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抱かれる
"マグロ" は
<筋肉質>
である。
大勢が
設定し
<解釈>する……――
「ショーフらしさ」
――という名の………
「女らしさ」
――は……
――要素として…
欠けた……――
「女」
――であった。
写像であった。
記号であった。
それでも………――
「女」。
「女」
――であり……
「女」
――ではなかった。
”劣っている者”と
”同じ”
ではなかった。
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"マグロ" は
顔を
隠さない。
水を
出し続けた。
そして
フェーズが
終わる。
繰り返す。
"マグロ" は
レプリカの袖で
水を
拭った。
ただ…
――最初の時の
――”様に”……
目を
薙ぎ払い
しなかった。
袂を
押し当てる………――
優しく。
目頭に
当てられる。
如雨露の口 [くち] の
”様な”
それが
止められる。
流出は
なくなった。
そして……――
起きた。
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横たわる…――
「誇り」
――は
起きた。
膝を
付いた。
盛り上がった。
立ち上がった。
そして……――
石を
掴んだ。
転がった
石ころ。
"少年" に
踏まれそうになる
石亀の
”様な”
石。
罅割れて
亀裂が
大きく入った
それ。
壊れた
それ。
それを
持ち上げ………――
胸に
押し付ける。
胸の上に
石が
加えられ、
胸部が
盛り上がる形と
なる。
ただ
そこに、
”劣る者”が
<解釈>し、
規定する……――
「”性”」
――は…
「無かった」。
"マグロ" は
抱いていた。
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"マグロ" は……――
「人間」
――が………
「道具」
――を……
「ars」
――を
抱く
”様に”
抱いていた。
”共感”は…――
「無かった」。
”感動”は……――
「無かった」。
ただ………――
それだけでは
なかった。
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