荘厳なる少女マグロ と 運動会
そして
夜明けの中で…――
「1」
――は
他と
”同じ”
”様に”
手を
下ろしている。
垂らしている。
ただ……――
手を
上げる。
ひとりだけ。
片手だけを
上げる。
相応しい位置まで
上げる。
そして………――
握った。
「空」
――を掴んだ。
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<握り拳>。
続けて……――
#丸め込んだ
指#に
例外を
生じさせる。
親指を…――
「gut」
――突き立てる。
「天」
――に向かって
立てていた。
「人間」
――の……
<力 [ちから] 強さ>。
「TUEEE!」
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その、
力 [ちから] を………――
「TUEEE!!」
――を
<表現>
した指は、
反っていた。
<海老反り>。
"マグロ" の
演技終了の
ポーズと
”同じ”
”様に”。
”同じ”……――
”様に”。
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ありえない程
曲がっていた。
#ありえない程
曲げる
たった
ひとり#は
縛られては
いなかった。
ただ…――
自身を
縛っている。
縛られずに
自身を
縛る。
「戒め」
見えない縛り。
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その
親指を
突き立てる……――
「geste」
――に………
「苦」
――は
示され……――
「無かった」。
「苦」
――は
<表現>
されなかった。
ただ
隠されても
いない。
単に…――
<状態>。
<常態>
――なのだ。
言うまでもない事。
「告白」
――するまでも
ない事。
そして
その指には
”意味”
が……――
「在る」。
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「virtue」
それは………――
「美」。
それは……――
「徳」。
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"蜘蛛宇宙人" は…――
<”良い”>
――という事を……
「善が
為された事」
――を………
「未来への
指標」
――を……
「可能性」
――を…
「終わりではない事」
――を……
「終わってなんか
いない!!!」
――という事を………
<表現>
――していた。
「人間」
――が
言葉……――
「無く」
「宣言」
――していた。
たった
ひとり。
ひとりだけ。
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「”劣っている者”が
気分
”良く”
なる事など…――
『善』
――ではない」
「それらが
気分を
害そうが……――
『偉業』
――は
”悪”
ではない」
「”必要無い者”は
必要………――
『無い』」
「邪魔」
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