荘厳なる少女マグロ と 運動会
それは
”同”
時代の
誰も
為し得ぬ事。
それでも
それらには
関係が…――
「無い」
――のだ。
ただ……――
”理解する者”
がいる。
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#"マグロ" の
演技を
見た
”重力スケーター”#は………
――誰ひとりとして……
感動しなかった。
共感しなかった。
ただ…――
理解していた。
出来ない事が
為された事。
自身が
どれだけ
努力しても
到達しえない事が
達成された事。
「失敗」
――と
<評価>
されようとも……――
「為された」
――という
事実。
変わらない事。
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「BJ」
――の
世界最高レベルは………――
四回転。
「SJ」
――の
世界最高レベルでさえ……――
六回転。
それ以上は
得点に
ならない…――
「不可能」
――だと
思われているから。
ヒューマニズム
徹底主義社会では
高すぎるものが
許されないから。
#すべてを……
――”低レベル”に………
「平等」
――を
促そうとする
ヒューマニスト#には……――
「偉業」
――が
為されては
困るのだ。
邪魔を
するのだ。
無為化
するのだ。
「5」
――も…
「7」
――も……
「8」
――も………
「0」。
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「BJ」
「FJ」
――の四回転。
「SJ」
――の六回転。
それらは……――
「無い」
――訳では…
「無い」。
ただ……――
<連続ジャンプ>に
それらを
組み込む
レベルに
ある者は………
――ほぼ……
いない。
まして…――
<クラインの壺>
を組み込む者など
いない。
シングルで……――
「やっと」。
その………――
「ありえない」
――が……
「為された」
――のだ。
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そして…――
「偉業」
――が
為された時……――
誰も
喜ばない。
誰も
誇らしく
思わない。
祝いの言葉を
述べなかった。
認めなかった。
<人>は
腹を
立てていた。
座りながら………――
「心」
――から
”自分より
上のレベルに
ある者”を
憎んでいた。
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夜は
続いていた。
優れた
<人間>
は憎まれていた。
<人>は……
――口 [くち] では…
否定する。
ただ……――
振る舞っていた。
それらは………――
「偉業」
――を
無視する。
否定する。
「結局
失敗じゃん!」
「好かれなきゃ
意味が
無い!!」
「人の
<価値>は
終わった時に
どれだけの人に
泣いてもらえるかで
計らなければ
ならない!!!」
「俺たちの
<レベル>
こそが……
――”低レベル”
――こそが…
『善』
――である!!」
変わらない。
繰り返す。
「除夜」
――が
終わり、
それまでの……――
「貪瞋痴」
――が
排除され………――
<初期化>
――され
新しい
フェーズが
開始されようとも
繰り返す。
新しい年に……
――時代に…
”同じ”
”悪”
が繰り返される。
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