荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" は
見つめていた。
そして
見つめている間に…――
石が
来た。
石であるが……――
#その時
"マグロ" が
ぶら下がる為に
利用していた
石#
ではない石。
"マグロ":
《来た………》
#”四回転
<クラインの壺>”
を行う為に……
――行う前に…
蹴った石#が……
――壁に
――衝突した後………
――すり抜けない分が……
戻ってきたのだ。
再帰
したのだ。
そして…――
掴む。
"マグロ" が
それを
掴む。
両手を
石で
埋めた……――
閉じた。
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<状況>は
逆転していない。
ただ………――
逆転していた。
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踏み外すまで、
ずっと
足で
石を
踏みしめていた
"マグロ" は……
――その時だけ…
両手で
石を
掴みながら……――
「空」
――の中心に………
「在った」。
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「上がろう」
――とする。
「よじ登ろう」
――とする。
ただ……――
叶わない。
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#ぶら下がる
"マグロ"#は、
落ちていない。
ただ…――
落ちていた。
石が
落ちる事に
従って
落ちていた。
石は
”重力スケーター”
の足による
刺激を
受けず、
落ち続ける。
落下は
加速する。
いくら
刺激が
無くとも……
――或る程度………
位置を
維持しようとも……
――停滞しようとも…
「刺激が
無い」
――という
<状態>
スパンが
長ければ
長いほど、
落下の加速度は
高まる。
力
にルールされる……――
抵抗は
働かない。
ただ………――
関係が
無い。
寧ろ、
上昇せずに
落ち続ける事で……
――落下が
――加速する事で…
「偉業」
――が
成立する。
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"マグロ" は
従っていた。
ルールに
従っていた。
力に
従っていた。
法則に
従っていた。
そして
"マグロ" は
従う事が
出来た。
「繰り返しに
過ぎない」
「”意味”が……――
『無い』」
「無理!」
ただ、
それら
テンプレを
”感じる”前に………
――再帰する前に……
<共感>
――する前に…
働き出すものが……――
「在る」。
それは
"マグロ" を
取り囲んでいる。
ただ………――
「αργον」
――ではない。
<"マグロ" を
縛るもの>。
"蜘蛛宇宙人" の……――
「Welt」。
"マグロ" に
働きかける…――
作用する。
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