荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ":
《苦!》
#落ち続ける
"マグロ"#は、
#落ち乍らも
浮き続ける…
――<状態>
――を持続させている……
石#を………
――その手で……
掴んだ。
ただ…――
片手で。
それしか
可能では
ないのだ。
石は
その時……――
「1」
――しか………
「無い」
――のだから。
<状態>……――
「en souffrance」。
苦悩の中…――
決まっているが、
決まっていない。
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落下は
止まるが……――
止まらない。
"マグロ" の、
#”場”
の力
にルールされた
落下#は………――
「en suspens」
――とするだけ。
そうなろうとも、
落下は
止まらない……――
"マグロ" が
掴んだ、
#<状態>
を維持させようとする
石#
さえも、
刺激を
受けなければ
落ちるだけ。
―――――――――――――――――――――――――
ぶら下がる。
ただ…――
ぶら下がらない。
"マグロ" は、
石に
縋らない。
<人間>
――が作った……
「ars」
――を
地へと………
――その他大勢の
――レベルへと……
引き摺り下ろそうとは
しなかった。
ただ
掴んでいた…――
利用していた。
「1」
「下」
――の次元で。
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その時の
”重力スケート”
のルールでは……――
「存在し………――
『無い』」
――<領域>で。
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"マグロ" は
<下から目線>で
見上げていた。
上には……――
壁。
障害。
限界。
その先は
見えない。
ただ
"マグロ" は
その先を
見ていなかった。
"蜘蛛宇宙人" とは
”違う”
のだ。
<仲間>
でも、
”違う”
のだ。
ただ…――
"マグロ" は
壁さえも
見ていなかった。
そして……――
"マグロ" は
見つめていなかった。
"マグロ" は
#それまで
宙に
<立つ>
事を
可能としていた
<道具>#
を見つめていなかった。
<人間>
以外が………
――人が……
――犬が…
――猫が……
――植物が………
作り出す事の
出来ない
技。
その……――
結晶でありながら
結晶ではないもの。
"マグロ" は
その先を…
――石の上を……
「空」
――を見つめていた。
それは………――
「天」
――と……
「地」
――の間。
ただ…――
<中間>
――より
<上>。
"マグロ" が
実際に
到達する
場所。
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