荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" は
着石した後、
<スピン>
を続ける。
「J」
――から
移り代った…――
「Sp」
――を
続ける。
「1」
「2」
「3」
回転する度に
腰を
上げていく。
そして
そのまま……――
フィニッシュへ
向かう。
予定。
ただ………――
その通りは
起こらない。
求める事は
得られない。
「失敗」
――する。
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"マグロ" は
四回転の
<クラインの壺>
を……――
「成功」
――させた。
ただ
それは…――
「失敗」
――である。
「失敗」
――となる。
そして
その……――
「失敗」
――は
次の………――
「成功」
――を導く為に
必要な
”要素”。
”劣る者”
によって
勝手に
解釈され、
評価される
<成功>
ではない。
ただ
それは……――
「成功」。
成功である事が
否定されようとも…――
「偉業」。
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「TUEEE!」
”弱者”は
強く
設定されようと
強くない。
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"マグロ" は
ずれていた。
"マグロ" は
シットスピンの最中に……
――石の上………
足を
踏み外す。
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"マグロ" は
着石した後……――
「1」
「2」
「3」
――と
<スピン>
を続ける。
正確には…――
「cannonball」
――を続ける。
砲丸は……――
「無い」
――が
そこに………――
「在る」。
その時、
"マグロ" は
感じていた……――
ずれている事。
「オカシイ」
言葉は
言葉に
ならなかった。
ただ
その…――
<状態>。
ただ……――
「1!!」。
「δ」
――を
”感じていた”。
そして………――
「2!!!」。
回転すれば
するだけ
ズレは
大きくなる。
そして……――
「3!!」
ただ…――
ズレ。
撞木の
衝撃が
ズレ行く
<鐘>、
その音の
”様に”。
鐘の音は
無いが……――
「響き」
――が………
「在る」。
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ズレは……――
「在る」。
アプリオリに…――
「在る」。
繰り返していた。
ただ……――
それが
起こっている事………――
<現象>
――そのものは……
<衝撃>
――の後に
生じる。
生じた事が…
――明確に……
知覚される。
ただ………――
それ以前から
起こっていた。
遅れて
それは
表面化する……――
「stress」
――のせいで。
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