荘厳なる少女マグロ と 運動会
#”劣る”
重力スケートファン#は
”優れたもの”も
”劣ったもの”も
#”同じ”
<回転>#
と見る。
ただ…――
「首を
回す」
――という
動作だけを
見ても
”卓越”と
”劣る者”
の間には
差が
ある。
”優れた者”は
耳の……――
「tab」
――を
肩に………
――僧帽筋に……
付ける
レベルで…
――首を
――折る
――”様に”……
――直角と
――なる
――”様に”………
首を
回す。
遠心力を
より
大きく
働かせる。
ただ……――
上体は
動かさない。
釣られるが、
釣られない
”様に”
する。
”優れた者”の
軸は
揺らがない。
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「apex」
――の描く
円の面積を
計り、
”首から
下の
上体稼働分”を…
――振動分を……
差し引けば、
”卓越”と
”そこそこ”
のレベルは
明白となる。
人工知能は
計る事が
出来る。
ただ………――
芸術点には
関係が
無い。
それは
プログラムに
埋め込まれているが
埋め込まれている事は
概算に
含まれない。
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石の上で……――
回転無き
回転。
それが
示された後、
"マグロ" は
屈む。
座り込まない。
腰を
落とし…
――そして……
"マグロ" は
ジャンプする。
ただ………――
上がり過ぎない。
直ぐに……――
着石する。
落ちるが
落ちない。
石は
上がる。
繰り返される
基底と
励起の
フェーズ。
元に
戻ろうとする…――
戻らずに。
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水準を
落ち過ぎない程度まで
戻した後……――
"マグロ" は
首を
落とした。
肩を
落とした。
落ちずに
落とす。
そのまま………――
折り畳む。
上体を
下半身と
重ねる。
前屈……――
屈さず。
ただ…――
例外。
腕は
落とさなかった。
上体の下降に
釣られて……――
「en avant」
――へ向かう
”様に”
見える腕は………――
「à la second」。
逆。
ただ……――
戻りながら
戻さない。
腕は
そのまま…――
後ろへ。
背後へ。
逆向きが……――
行き過ぎる。
腕を
捩じる。
掌の
向きを
代える。
両腕を
後ろに
伸ばし続け………――
限界が
来る。
<白鳥の
羽ばたき>の
”様に”
腕を
ポジショニング
する。
ただ……――
白鳥は
そこに
無い。
その時、
"マグロ" は
手を
結ぶ。
自分で
自分を
掴み…――
繋いだ。
「ループ」
――の
形成。
ただ……――
そこで
動きは
止まない。
繰り返されない。
結んだ手を
更に
伸ばす………――
高く。
腕は
重なり合う。
<上体と
下半身が
重なった
線>
に対して、
<重なった腕が
作る線>は……――
「90」。
ただ…――
「θ」
――の差で……
――僅かな
――その領域の中で………
動く。
揺れ動く。
「δ」
――を
示す。
それは……――
<表現>。
それは…――
記号。
白鳥無き……――
「しにゅ」。
<ヒエログリフ>。
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