荘厳なる少女マグロ と 運動会
相容れない。
受け入れない。
二人が
ひとつと
なる事は
無い。
ただ
その
二つの
間に
在る
間隙に
示される…――
光。
強度は……――
漸進的。
源から
遠ざかる度に………――
<弱い力>。
ただ……――
「evanescent」。
属
”性”…――
「phosphorescent」。
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二次元的には
動かないが
次元を
上げると
垂直に
動いている……――
「読書」
――を示す………
「geste」
――は……
「loin」
――の前
それと
平行に
位置する
点を
超え…
――更に
――下がり続け……
限界に
到達する。
その時………――
"マグロ" は
その
最下位置に
片手を
置いたまま、
もう片方を……
――少しだけ…
浮かせた……――
重ねたまま。
そして
片方は
空間的に
”同じ”
位置とされる
地点に
据えたまま………――
浮かせた方だけ……
――横へ…
滑らせる。
<薙ぎ払い>。
別言すると……――
「スライド」。
重点が
分離し………――
「flip」
――の……
「geste」。
最初の
ジャンプ
の前。
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「読書」
――の中…
浮いた手は、
据えた手の上を
踊らない。
手の内で……――
踊らされない。
空を………――
「through」
――するが……
読み飛ばさない。
次へ
進むだけ。
捲るだけ。
進もうとも…――
また
”同じ”
位置へ
戻る。
繰り返す。
ただ……――
繰り返さない。
#<”読者”
ではない者>
を計上しない
”読者”#
が繰り返してきた様に。
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「flip」
――する手は
背後から………
――僅かに……
見える様に
なる。
月無き深夜に…――
「loin」
――と点る
電気
の様に……――
人工的。
人が
人である………――
証し。
人工知能の中に
生じる……――
「人間」
――”性”。
象徴的…――
「geste」。
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ただ……――
スライドする指は
極限まで
行かない。
すぐに………――
"マグロ" は……
――途上にて…
”払ったばかりの
手”を……
――広がった指を………
――戻す事無く……
纏めようとする。
折り畳もうとする。
その手を…――
「geste」
――を……
圧縮しようと
する。
「figure」
――ひとつの
記号。
<道具>。
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外れた手が
再び
背の中に
隠れた。
掌の
表が
内向きに
なっていた。
それは………
――依然として……
表。
背に
隠され…――
裏からは
見えない。
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その時……――
見ていた。
"マグロ" は………――
見ていた。
点を
見ていた。
重なりは
見ていなかった。
背景は……
――設定は…
――基盤は……
見ていなかった。
元の位置へと
舞わずに
舞い戻る………――
「flip」
――の後……
「loop」
――する…
「拳骨」
――だけ。
「geste」
――だけ。
口惜しさは
無い。
負け惜しみも
無い。
ガッツも
無い。
フェーズの中……――
始まってもいない。
単に………――
「captured!」。
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苦しみの中……
――「夜」
――の中…
"マグロ" は
自身の手を
見つめていた。
そこに
#<表現>
する事#
を見出していた。
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