荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" は
石の上から
逸脱しない。
ただ…――
前進。
トウを
広げ、
踵を
内に
締める事を
以って、
足の形で……
――カタカナの………
「ハ」
――の字を
作りながら。
”調子”を
整えながら……――
体調という
”調子”
は整える事が
叶わずに
進む。
進む。
ジャンプと
着石を
繰り返しながら
宙を…
――中を……
――斜めに………
横切りながら……――
前進する
石に
乗った
"マグロ" は
”場”
の端に…
――更に……
向かっていく。
ただ
<単に
進む>
訳では
無い。
動く時………――
<状態>
――を
維持しない。
”同じ”
を繰り返さない。
それまで
降ろしてた
手を
上げる。
進行方向に
向かって
手を
伸ばす……――
顎を
上げながら。
パラボラ。
―――――――――――――――――――――――――
無表情で…――
腕を……
――長く………
伸ばす。
掴む事は
無い。
物は
無い。
求める
意志の
中間にある
肘が……
――ジョイントが…
<直線>
――を作る。
足の……――
「ハ」
――は
止んでいた。
代わりに………――
「ト」。
その時……――
<表現>。
"マグロ" は、
#著しく
スケートレベルの低い
同級生の
"少年"#が
スケートをした時、
その手を
上級者である
"マグロ" へと
伸ばした時の様に、
手を
伸ばしていた。
それは…――
<それ
そのもの>
――ではない。
それは……――
「geste」。
それは………――
写像。
置き換え……――
可能。
大昔に
啓蒙家に
耳を
傾ける者が
してきた様に…――
平等を
目指す
ヒューマニストが
してきた様に。
―――――――――――――――――――――――――
助け。
感謝は無い。
繰り返される事。
最終的には
転じるが、
幻滅に
至らない頃の
優秀による……――
<善意>。
<頭の
”悪い”
”悪人”>
――によって………
「馬鹿」
――と
評価
される事。
見る事。
象徴的な
”卓越”
の……――
<表現>。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
二人。
手を取り合って
高まろうとした
二人。
「出来ない」
――という
繰り返しを
行わない様に
努力する者が
行ってきた…――
繰り返し。
そして……――
周囲の
<目>
によって
遠ざけられる
二人。
<”善意”
の第三者>
にカテゴライズされる
<”劣る”
その他大勢>
による
#邪推#と
#解釈#
によって
関係を………
――結びつきを……
壊されてきた
二人。
そして…――
”恋”。
失われた……――
それ。
壊れる必要が
無かったもの。
繰り返す事。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
鐘の音は
無い。
理解は
無い。
感謝は
無い。
”悪”
である事が
非難された時、
非難された者は
反省せずに
非難し返す。
大勢が
反省する事は
無い。
ただ………――
<責任>
は否定されない。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――




