荘厳なる少女マグロ と 運動会
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"バレエ座の怪人":
「ジェ・アンドロォワ…――セ・モンドロォワ……
ドゥーマン………、
プリベ・オキュヌマン……
――デゥ・プニール・ルシュブリィィム…」
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"マグロ" とその家族は、
駐車場から
会場に
向かった。
駐車場には
別の家族がいて、
足取りを
同じと
していた。
母親同士
父親同士
会釈をした。
"別家族" の中に、
”重力スケート”
の
――ジュニア
選手がいた。
歩行中に
"マグロの姉"
と視線を交わした。
会釈をした。
その選手は、
"姉" とは
別の練習場にて
別のコーチに習っている
者だった。
"マグロの姉" とライバルになる様な
成績は
残せていなかった。
何より――性別が異なっていた。
互いに顔は知っていたが
接点は
――殆んど
なかった。
よって
――並行して歩く
――両家族間に
緊張が走る事は
なかった。
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駐車場からは
会場の裏口が
繋がっている。
<地方大会>
会場の
”正面入り口”
と
そこは
正反対の場所に
在った。
裏口に、人気はない。
警備員はいない。
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駐車場を降りた時から
――"マグロ" や
――その家族は
<壁の目>
を通じて
顔の認証が行われている。
既に家族は
入場の為の登録を
前もって
完了させていた為
――そして
――施設入場の許可が
――既に
――降りている為
警告は
なかった。
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"マグロ":
《もうみんな入って
練習してるのかな……》
"マグロの姉" は爪を噛んでいた。
"母親" と視線が会い――
"姉" は作業を止めた。
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駐車場で一緒になった男子選手の家族
その親が
裏口のドアに
手を掛けなかった。
自動で
――簡単に
開いた。
そのまま――家族は通り抜けた。
ドアは――開いたまま。
"マグロ" とその家族も――続いた。
"マグロの母親" は
娘達を通した。
ドアが閉じようとしていた。
"母親" は
両手に荷物を持った "父親" の為に
ドアが閉まらない様に
支えてやった。
"父親" は
――擦れ違う時
感謝の言葉を
――直接
述べた。
"母親" の怒りは
――少しだけ
治まった。
ドアが閉まった。
、
皆は
ロビーのある方角に
向かった。
控室に入る前に
――その場所で
"コーチ" と
待ち合わせて
いるのだ。




