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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 ―――――――――――――――――――――――――




 "バレエ座の怪人":

 「ジェ・アンドロォワ…――セ・モンドロォワ……

  ドゥーマン………、

  プリベ・オキュヌマン……

  ――デゥ・プニール・ルシュブリィィム…」




 ―――――――――――――――――――――――――




 "マグロ" とその家族は、

 駐車場から

 会場に

 向かった。




 駐車場には

 別の家族がいて、

 足取りを

 同じと

 していた。




 母親同士

 父親同士

 会釈をした。




 "別家族" の中に、

 ”重力スケート”

 の

 ――ジュニア

 選手がいた。




 歩行中に

 "マグロの姉"

 と視線を交わした。




 会釈をした。




 その選手は、

 "姉" とは

 別の練習場にて

 別のコーチに習っている

 者だった。




 "マグロの姉" とライバルになる様な

 成績は

 残せていなかった。




 何より――性別が異なっていた。




 互いに顔は知っていたが

 接点は

 ――殆んど

 なかった。




 よって

 ――並行して歩く

 ――両家族間に

 緊張が走る事は

 なかった。




 ―――――――――――――――――――――――――




 駐車場からは

 会場の裏口が

 繋がっている。




 <地方大会>

 会場の

 ”正面入り口”

 と

 そこは

 正反対の場所に

 在った。




 裏口に、人気はない。




 警備員はいない。




 ―――――――――――――――――――――――――




 駐車場を降りた時から

 ――"マグロ" や

 ――その家族は


 <壁の目>


 を通じて

 顔の認証が行われている。




 既に家族は

 入場の為の登録を

 前もって

 完了させていた為

 ――そして

 ――施設入場の許可が

 ――既に

 ――降りている為

 警告は

 なかった。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "マグロ":

 《もうみんな入って

  練習してるのかな……》




 "マグロの姉" は爪を噛んでいた。




 "母親" と視線が会い――


 "姉" は作業を止めた。




 ―――――――――――――――――――――――――




 駐車場で一緒になった男子選手の家族

 その親が

 裏口のドアに

 手を掛けなかった。




 自動で

 ――簡単に

 開いた。




 そのまま――家族は通り抜けた。




 ドアは――開いたまま。




 "マグロ" とその家族も――続いた。




 "マグロの母親" は

 娘達を通した。




 ドアが閉じようとしていた。




 "母親" は

 両手に荷物を持った "父親" の為に

 ドアが閉まらない様に

 支えてやった。




 "父親" は

 ――擦れ違う時

 感謝の言葉を

 ――直接

 述べた。




 "母親" の怒りは

 ――少しだけ

 治まった。




 ドアが閉まった。



 皆は

 ロビーのある方角に

 向かった。




 控室に入る前に

 ――その場所で

 "コーチ" と

 待ち合わせて

 いるのだ。



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